PLEN Roboticsは4月20日、AIアシスタント「PLEN Cube」に、遠隔体温検知と自動問診機能を搭載した非接触型自動健康チェック版を製品化すると発表した。
PLEN Cubeは、顔認識、音声認識機能を備えた、⼀辺およそ7.5cmの立方体小型ロボット。今回の健康チェックβ版は、医療や介護施設などの職場で働くエッセンシャル・ワーカーの感染予防対策として開発された特別版だ。対話合成による自動問診とサーモセンサーを搭載した拡張ボックスを組み合わせることにより、従業員の体調不良を早期に発見するという。
被験者(従業員)は、アプリケーション経由で顔を登録。施設入室時にPLEN Cubeに顔を向けることで、検温と問診により健康をチェック。顔認証と健康チェックを組み合わせることにより、健康状態の把握とそのデータ化までの時間を自動化。対応の迅速化と記録漏れ、ミスを防止する。
センサーによる検温により、平熱との乖離を計測。また同時に一問一答式の問診をすることで、体温測定だけでは間に合わない初期症状の捕捉を可能にする。異常が認められた場合は検査勧告を通知するという。
シンプルなシステムの採用により、大規模な工事は不要、かつ運用上のコスト負担を軽減可能としている。
PLEN Robotics株式会社 COOの富田 敦彦氏は、「スマートフォンやタブレットのアプリでも似たサービスは実現できるかもしれないが、OSやメーカー、機種の違いから、同じ動作をさせるのが難しく開発に時間がかかってしまいます。PLEN Cubeは自社開発のハードウェアなので、検温や問診の機能の開発と実装が短期間でできる。今回は、どうしても現場で働かなくてはいけない方々の職場へいち早く届けるため、開発期間を優先させるアプローチをとりました」とコメント。
4月27日より、PLEN Cube健康チェック版のテスト機を用いて、大阪滋慶学園グループの大阪ハイテクノロジー専門学校で実証実験が行なわれる。同校ではCOVID-19による休校措置が取られているが、業務で出勤している職員の協力を得て、限られた被験者ではあるが実施されるとのこと。
現在PLEN Cubeは中国・深センの工場で量産作業中で、7月から健康チェックβ版100台を販売する予定。今回は、問い合わせを中心に同社から直接販売される。
価格は、PLEN Cube本体と拡張ボックスが9万8000円か、月額サービス料5000円からとなる見込み(いずれも税別)。月額サービス料は、顔登録100名、問診内容4、5個程度を想定しており、登録人数や問診内容によって料金が変動する。またナースコールなど外部機器との連携といったカスタマイズにも別途料金にて対応可能だ。