3歳児くんの保護者をしてます盛田諒ですこんにちは。自治体から登園自粛要請が出たことで子が保育室に行くのは週1で金曜日のみとなり、自宅保育になりました。あとの平日は妻と2日ずつ休みをとって5日中3日だけ働いています。お仕事の稼働率は4割減、自宅保育で体力も4割減でゾンビ顔になっています。布マスクと一緒にエナドリも郵送してほしい。
●楽しさ半分、しんどさ半分
自宅保育をやるのは楽しさ半分しんどさ半分。いま住んでいるのは海沿いの片田舎なので遊び場所には困りません。海でイソギンチャクをつついて水を出させたり山で倒木にまたがってバスの運転手になったりやってます。色とりどりの花が咲き、ウグイスの声も聞こえて平和です。
山には遠方からの登山客、海沿いの公園には休校になった子どもたちが集まり平日にしては人が多いのですが、それでも「密」とは無縁。いい季節ということもあり、「疎」にして豊かな自然をそれなりに楽しめています。こんなときだからこそ楽しそうに笑っている子どもを見るのは本当に救いになります。わからないけど戦争中もきっとそうだったんだろうなあ。
●不安にならないよう気をつける
ただそれにしても毎日夫婦で顔をつきあわせ、子どもを見るのはかなりしんどいものです。思い出すのは育休のとき。夫婦ともに神経が張りつめつねに一触即発状態、毎日寝不足でメンタル底打ち、ツイッターで必死にかわいい小鳥のアカウントを見つけて癒されていた日々のことです。
当時と違うのは都心の賃貸マンションから田舎の借家に移ったこと、子がでかくなり「ちんちんなくなっちゃった」とかバカなことを言いながら走り回っていること、そして親が適当になり「ちんちんだハハハ」などと笑ってられるようになったことです。3年間で体力がおとろえた一方、手の抜き方もおぼえました。
当時と今でもうひとつ違うのは不安の種類。「病気になったらどうしよう」、「仕事がなくなったらどうしよう」みたいなぼんやりしたでかい不安です。なので、子どもと遊んでいるときは不安にならないように気をつけ、スマホやニュースをなるべく見ないようにして意識を子どもに振り向け、遊びに集中できるようにしています。
●SNSのソーシャルディスタンス
親が不安を避けるってのは大事ですよね。親も当然ストレスなんですが激しい環境の変化にさらされる子どもはさらにストレスが大きいので。
子どもは0〜2歳の小規模保育室を卒業して、新しい保育室に入りやっとならし保育が終わったタイミングで休みになってしまったので、なんとなく頭にクエスチョンマークを浮かべた様子で毎日を過ごしています。そこで私たち親があたふたしたり「ギャー」となっていたら相当しんどいはず。
なので子どものためにも不安をなるべく遠ざける生活を心がけてます。具体的にはSNSで不穏な言動を見ないようにしています。記録をつけたり速報を見るためにのみ使い、トレンドを追いソウルジェムを濁さないようSNSから距離をとってます。ソーシャルディスタンスです。そちらもどうぞお気をつけください。
●相談窓口が増えてほしい
不安を解消する方法って本当に少ないですよね。子育ての相談相手が少ないというのはもともと感じてきたことなんですが、そもそも不安を相談する方法が社会にほぼなかったんだなと思います。
ちょっと前にラジオで子どもに不安をぶつけてしまうという悩みをもった親に対して「まずは深呼吸」と言って怒りを鎮める方法を教えてましたが、本人の努力では限界があるメンタルヘルスの話なんじゃないかと思いました。「いのちの電話」もそうですが、電話やLINEで悩みに答える相談員の質と量がこの機会にぐっと増えないもんかなと思います。たとえば檀家が減っているというお坊さんが自治体と連携して「LINEお坊さん相談室」をやるとかどうですかね。
私は自宅保育ごときで「腰痛いよー」とか音をあげているわけですが、いま赤ちゃんを育てている人は親の手も借りられず本当につらいだろうなと思います。身近な誰かに怒鳴ったり、つらくあたってしまい、自分を責めている人もいるんじゃないでしょうか。メディアは「コロナ疲れ」「コロナ離婚」なんてばかげた言葉を作っていますが、こんなもん疲れるに決まってるでしょうよ。余談ですが男性育休は増加するほど離婚の可能性が高まると思います。しんどいので。
経験上こういうときは話相手を探して苦労話を聞いてもらったり、好きなものを好きでいるという自分のケアが大切です。できるところは徹底的に手抜きして自分と家族を愛することにコストをかけていきたいところです。それにしてもウイルスも土日くらい寝ててくれないもんですかね。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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