発見!Steamおすすめのゲーム 第111回
イタリアから日本の作品へのラブレター
Steamおすすめゲーム「Daymare: 1998」バイオハザードへのリスペクトが込められたサバイバルホラー
2020年04月03日 19時00分更新
筆者とバイオハザードの出会いはプレイステーションで発売された「モンスターファーム」であった。うだるような夏の日にレアモンスターがバイオハザードで出現すると聞いた筆者はTSUTAYAで赤い初期版のパッケージを手に取った。レアモンスター目当てで買った本作品を筆者はハマりこみ、続くシリーズをほぼ全シリーズプレイするほどには思い出のあるタイトルでもある。モンスターヒットとなったバイオハザードは「Resident Evil」の名前で海外でも大きなヒットとなるカプコンの看板タイトルとなったのは今更言うまでも無いだろう。
去年の1月頃に発売された「BIOHAZARD RE:2」の前から有志でリメイクが進行していたプロジェクトがあり、一時期大きく話題になった。RE:2の発売前にカプコンの要望により立ち消えとなったこのプロジェクトは違う形で世に出ることになった。
第111回はそんな経緯から生まれたリスペクトタイトル「Daymare: 1998」を紹介する。
本作品は英語のみとなっている。詳しい操作方法は後述するが、操作自体はキーボードとゲームコントローラーどちらでも操作可能だが、細かいAIMが求められるためキーボードとマウスを使用することを推奨する。
巻き込まれた者たちの惨劇のトライアングル
Aegis研究所にて連絡が途絶え、精鋭部隊であるH.A.D.E.S.が調査のため派遣されることとなる。その部隊の一員である“リーヴ”は研究所の機密の回収と生存者の始末を命じられることになる。果たして機密と呼ばれていたのは二次大戦中日本が隠匿して開発していた新種のウィルスを基に開発されたガスであり、散布されるとゾンビのように見境なく人間を襲う大規模災害兵器であった。
だが、その機密はリーヴとH.A.D.E.S.部隊リーダーである“サンドマン”の確執により、研究所近くの街キーンサイトへとバラまかれることになってしまう。ガスを直接感染されられた上リーヴにより銃殺されることになったサンドマンだが、彼はガスの影響により自我を保ちつつも生き延びていた。
サンドマンは生きてはいたが、ガスの影響によりあたりの生存者を殺害し回っており森林観察員の“サム”の妻は彼に惨殺されてしまう。サムは復讐を決意し、彼らの企みに巻き込まれていく・・・というのが導入となっている。
本作品はチャプター形式となっており、チャプター毎にストーリーが展開していく。ストーリーに合わせて操作キャラクターの変更はあるが、操作は特には変わらない。操作キャラクターを通じて、惨劇の流れを追っていく形になっている。
右クリックでAIMを行う際にレティクルが収縮する前に発砲するとダメージが落ちるようになっており、収縮後であれば一撃で敵を倒せる場合もある。弾薬は豊富にあるわけでは無いためできる限り有効に使うことが重要となる。
ただし敵に捕まってしまうと体力をごっそりと持って行かれてしまう。右上の体力が0%になった場合はゲームオーバーとなり、チェックポイントからやり直す羽目になってしまう。捕まれた場合はスペースキーを連打することで振り払うことが可能だ。
TABキーを押すことでアイテムインベントリを表示する。表示している際にも時間が止まらないため敵に囲まれている際などに表示するとそのままゲームオーバーとなる場合もあるので開く際は注意したい。
アイテムインベントリには銃の弾薬マガジンもアイテムとして扱われるが、理由として銃器のリロードが独特なシステムになっている。Rキーを押すことでリロードを行うのだが、ただ単に押した場合予備のクリップで銃の弾薬を即座に入れ替えるが、その際に今入っている弾薬クリップをその場に放棄する。Rキーを押し続けることで予備マガジンと現在のマガジンを入れ替えるが、現在のマガジンはインベントリに収納される。ただ予備マガジンがない場合はクイックリロードできないため、放棄したマガジンは後で拾い直す必要がある。
囲まれている際にはクイックリロードを行い、余裕がある場合には通常リロードを行うなど状況に合わせて切り替える必要がある。
オマージュといえる高難易度のバランスと幅広い難易度
本作品の難易度は3つに分かれており、最上級のDAYMAREからTPSが苦手でもクリアできる設計のEASYまで幅広く分かれている。DAYMAREが開発陣の想定したバランスになっているが、弾薬も乏しく敵も恐ろしく固いバイオハザード初代を彷彿とするゲームオーバー必至の難易度になっている。
リスペクトとオマージュに揺られながらオリジナルを目指したスタッフの苦悩
元々バイオハザード2のリメイクを非公式ながら行おうとしていて経緯があったため、開発陣の本家スタッフに対するリスペクトやオマージュはマップやテキストのそこらかしこに仕込まれている。
だが、そのままオマージュしただけの作品ではなく、「Daymare: 1998」というオリジナルタイトルとしてちゃんと開発されており、バイオハザードでは見なかったやや高めの難易度の謎解きと独自のシステムを確立している。
本作品以前に開発の履歴などもなく、リメイクスタッフによる情熱だけで完成した本作品は決して順風満帆で開発されたわけではない。クラウドファンディングも失敗し、リメイク以外では評価もなかった彼らは情熱という糧だけで資金繰りや開発を続けこうして世に出すことができたのだ。
イタリアから日本の作品へのラブレターともいえる本作品。特にシリーズをプレイしたことのあるユーザーであれば触れてみるのが返礼ともいえるのではないだろうか?
「GTFO」の推奨動作環境は?
最低環境でもグラフィックの要件がGeForce GTX 760相当、推奨ではGTX 1060以上とCPU内蔵GPUではかなり厳しい。ミドルクラスのゲーミングPCは欲しいところだ。
「Daymare: 1998」
●10 Chambers Collective
●3490円(2019年9月17日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション、アドベンチャー、ホラー、FPS、ゴア
© 2019 Destructive Creations. Developed by Invader Studios. All rights reserved.
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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