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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第27回

【鉄板&旬パーツ】Seasonicの最新電源「FOCUS」シリーズの魅力はケーブルにアリ!?

2020年04月04日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII

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3年ぶりに刷新された「FOCUS」に注目

 約3年ぶりに、Seasonic製メインストリーム向け電源ユニットの「FOCUS」シリーズに新モデルが投入され、ショップ店頭には新旧「FOCUS」シリーズがズラリと並んでいる。

Seasonicの電源ユニット棚。新旧「FOCUS」シリーズが、ズラリと並んでいる

 秋葉原の数多くのショップスタッフが、おすすめとしてあげるSeasonicの電源ユニット。スタッフのなかには、同じSeasonicでもハイエンドユーザー向けの「PRIME」シリーズを強く推すこだわりスタッフもいるが、安定した出力や高い品質、静粛性を、価格を抑えつつ実現しているメインストリーム向けの「FOCUS」シリーズも、間違いなく鉄板の電源ユニットと言える。

エントリーモデルになるセミプラグイン仕様のFOCUS GMシリーズ。日本メーカー製105度電解コンデンサーを採用するなど、旧型SSR-FMシリーズから進化している

 新たに投入されたセミプラグイン仕様の「FOCUS GM」、フルプラグイン仕様で80PLUS GOLD認証取得の「FOCUS GX」、80PLUS Platinum認証取得の「FOCUS PX」は、発売直後ということもあり旧型と比べると割高感が結構ある。

ハイエンド構成にもおすすめなフルプラグイン仕様のFOCUS GXとPXシリーズ。今回注目のシリーズだ

 正直、今買うなら製品入れ替えで特価を出しているショップもある旧型を選び、差額でストレージの容量アップなどを狙うのが正解と言えるが、予算があるなら断然新しい「FOCUS GX」、「FOCUS PX」がおすすめと、熱弁するショップスタッフがいる。

 それがTSUKUMO eX.の組み立て代行担当者で、プライベートを含めて数多くの自作PCを、こだわりを持って組み立てている石井さんになる。さっそく、おすすめの理由を聞いてみた。

入れ替えのため、旧型がお買得になっていることも多い

TSUKUMO eX.の組み立て代行担当の石井さんが高評価な新型のFOCUS GX、PXシリーズ

 フルプラグイン仕様のFOCUS GX(80PLUS GOLD)と、PX(80PLUS Platinum)もマイナーチェンジではあるが、日本メーカー製105度電解コンデンサーの採用や、出力コネクターが実装されている基板が、単層から2層基板になるなど、信頼性や耐久性がさらにアップしている。

新型のFOCUS GXと、PXシリーズは、出力コネクターのライザーカードが2層基板になるなど、進化している

 しかし、石井さんが熱く語ったのはケーブルだ。重要ポイントとなるのが、ATX24ピンコネクターなどのケーブル側に内蔵されていたコンデンサーがなくなったこと。

 もともとSeasonicのハイエンドモデル「PRIME」シリーズでは内蔵されていなかったのだが、FOCUS GXとFOCUS PXでも出力コネクター部のライザーカードを2層基板にすることで、ケーブル側にコンデンサーを内蔵せずともノイズや、リップル(波形の乱れ)が抑えられるようになっている。

FOCUS GXとFOCUS PXのケーブルにはコンデンサーが内蔵されていない。ちなみに端子先端に付いているのは付属品のテスター。マザーに接続しなくても通電できるスグレモノだ

従来のATX24ピンケーブル。コネクターから5cmほどのところにコンデンサーを内蔵し、ケーブルはガッチリと固められている

従来のPCIe補助電源ケーブルも、コンデンサー内蔵部は曲げられない状態になっている

 それだけ? と思う人が多いだろうが、石井さんいわく、「これまでのコンデンサー内蔵ケーブルは、コネクター側が非常に固くて、取り回しが悪く、見た目もあまりキレイに仕上げられなかったのですが、FOCUS GXと、PXシリーズはかなり良いです」とご満悦。さらに「これなら自分用に買ってもいい」と語っていた。

旧型FOCUSで組んだPC一例。十分キレイではあるが、曲げられないため、取り回しに苦労したという

 ほかのスタッフからも同様の意見が出ており、新型FOCUSを購入して愛機を組んだスタッフからもケーブルが高評価だった。マイナーチェンジではあるが、マイナス点をしっかり解消してきているのはすばらしい。

 また、最近のマザーボード仕様に合わせて下位の650WモデルのATX 12V 4+4ピンコネクターが、2本にアップグレードされているのもポイント。Core i9やRyzen 9などと、ハイエンドマザーボードを組み合わせた構成にも対応できるようになっている。

最新マザーボードに合わせて、容量650Wモデルも、ATX 12V 4+4ピン×2本仕様になっているのはうれしいところだ

ねらい目の新型FOCUSシリーズ

 7年や10年間保証の通り、長く使い続けられる高耐久&高信頼性を持っているSeasonic製電源ユニット。FOCUS GXと、PXシリーズは、旧型と比べると2000~5000円程度アップしているが、日本メーカー製105度電解コンデンサーの採用や、ケーブル接続部の2層基板化など、改良点は大きくはないが、間違いなく製品品質は向上している。

注目の新型FOCUS GX、FOCUS PXシリーズ

 コンデンサーの内蔵がなくなり、ケーブルの取り回しがしやすくなった点も含め、新型=高いと除外する前に、じっくりとパーツショップを巡って、価格差次第では新型を選ぶのもありだろう。

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