大日本印刷は3月26日、第5世代通信規格(5G)に対応する「透明アンテナフィルム」を開発したと発表。
ミリ波帯の電波(波長1~10mm、周波数30~300GHz)を用いる5Gの高速大容量のデータ通信には、ミリ波が近傍製品の影響を受けやすいためアンテナ設置場所の自由度が低いという問題や、従来以上の通信環境を確保するにはアンテナの設置数を増やす必要性があったという。
そうした課題を解決するため、大日本印刷は視認されない超微細金属メッシュ配線を開発し、透明アンテナフィルムを実現したとのこと。
本製品は、透明なフィルム上に、目に見えないほどの金属配線を超微細なメッシュ(網目)状に形成したもの。5G対応アンテナとして室内の壁や天井はもちろん、窓ガラスや車体のガラスなどにも貼り付けられるという。
透明性に優れるため、大型ディスプレーやスマホなどの5G対応製品の透明表面材にも、視認性を損わずに貼り付け可能としている。
大日本印刷は今後、印刷技術と情報処理の強みを活かし、本製品や放熱部品「ベーパーチャンバー」などの5G向け電子部品と、IoTの情報セキュリティーを高めるプラットフォームなどを掛け合わせて、5Gが実現する快適な情報社会を支えるソリューションを提供するとしている。また、5Gを活用して、VR・ARコンテンツや4K・8K映像配信、安全な自動運転や遠隔医療などにも取り組むとのこと。