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スタートアップ×知財のベストプレイヤーが決定

JAPAN INNOVATION DAY 2020レポート:第1回「IP BASE AWARD」授賞式

連載
JAPAN INNOVATION DAY 2020

 2020年3月19日、特許庁はスタートアップ×知財のベストプレイヤーを表彰する「IP BASE AWARD」の第1回授賞式とセッション「IPナレッジカンファレンス for Startup 2020 スタートアップ・エコシステムの発展に向けて」を東京・赤坂インターシティコンファレンスにて開催した(「JAPAN INNOVATION DAY 2020 by ASCII STARTUP」と同時開催)。前半はIP BASE AWARDの授賞式、後半はIP BASE AWARD選考委員と受賞者によるセッションが実施された。本記事では、IP BASE AWARDの授賞式の内容をレポートする。

 開会の挨拶には、特許庁企画調査課長 小松竜一氏が登壇。

 「特許庁では、ベンチャー企業支援施策として2018年12月より知財コミュニティポータルサイト『IP BASE』を開設し、コンテンツの充実を通じて、スタートアップコミュニティの形成を推進してきた。スタートアップ・エコシステムには、スタートアップ企業だけでなく、知財専門家、アクセラレーター、VC等のプレーヤーが存在している。今回の『IP BASE AWARD』によって、知財活用の取り組みをしている個人や組織にフォーカスを当てることで、コミュニティがより盛り上がることを期待している」と述べた。

特許庁企画調査課長 小松竜一氏

 続いて第1部では、特許庁企画調査課 課長補佐菊地陽一氏が特許庁のスタートアップ支援の取り組みと「IP BASE」のコンテンツ紹介、「IP BASE AWARD」の概要を説明した。

 「IP BASE AWARD」は、知財専門家部門、スタートアップ部門、エコシステム部門の3部門において、知財全般の取り組みついて意欲・先進性・注目度などの観点から、めざましい取り組みをした個人・組織に贈られる。特許庁の知財コミュニティポータルサイト「IP BASE」内アンケートで候補者を募集し、選考会にて、知財専門家部門、スタートアップ部門、エコシステム部門の3部門を決定、今回が初の授賞式となる。

スタートアップ・エコシステムへの貢献が評価された第1回IP BASE AWARD

 第2部では、受賞式を実施。各部門の受賞者は以下の通り。各受賞者には、弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 パートナー 弁理士の鮫島 正洋氏より表彰状が贈呈された。

【知財専門家部門】
グランプリ:六本木通り特許事務所 大谷 寛氏
奨励賞:中村合同特許法律事務所 山本 飛翔氏、特許業務法人IPX 代表弁理士CEO 押谷 昌宗氏

 六本木通り特許事務所は、スタートアップの知財活用を支援する特許事務所として、弁理士の大谷 寛氏が2017年に設立。スタートアップの知財形成のほか、契約書のレビュー、ライセンス交渉、VC調達のデューデリジェンスなどを行なう。新たに、VC調達前のスタートアップ向け商標出願プラン「エンジェルラウンド」をサービスとして実施。手数料定額で3日以内にプロダクト名の商標出願が可能だ。

 受賞理由としては、“スタートアップ×知財”という言葉があまり知られていない時代からスタートアップ支援に取り組んできた実績があり、スタートアップから高い信頼を得ているほか、ベンチャー知財研究会の運営などスタートアップ・エコシステムにおける知財意識の向上に貢献していることが評価された。

弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 パートナー 弁理士の鮫島 正洋氏(左)、六本木通り特許事務所 大谷 寛氏(右)

中村合同特許法律事務所 山本 飛翔氏(左)、特許業務法人IPX 代表弁理士CEO 押谷 昌宗氏(右)

【スタートアップ部門】
グランプリ:株式会社エクサウィザーズ
奨励賞:株式会社ビードットメディカル、株式会社カウリス

 株式会社エクサウィザーズは、超高齢化社会などの社会課題をAIで解決することを目標に、医療、保険、金融、製造業など、さまざまな領域でのAI導入に取り組むスタートアップ。企画から実装までワンストップで提供するため、看護師や介護福祉士、理学療法士などの専門家が社内に在籍するのが特徴だ。同社では、発明報奨金制度の設置、知財ニュースを毎日配信するなど、社内の知財認知向上と発明促進に取り組んでいる。

 知財担当者による特許性判断と技術担当取締役による事業性評価の実施など、戦略的な知財取得のための社内全体での取り組みが評価された。

株式会社エクサウィザーズ 取締役 坂根 裕氏(右)

株式会社ビードットメディカル コーポレート部部長 原 洋介氏(左)、株式会社カウリス代表取締役 島津 敦好氏(右)

【エコシステム部門】
グランプリ:マスターマインドビジネスコミュニティ
奨励賞:宇宙人クラブ、株式会社IP Bridge

 マスターマインドビジネスコミュニティは、スタートアップ支援を目的とするシェアリングエコノミーとして第一生命保険株式会社の土橋 幸司氏が創設。現在のメンバーは1000人を超え、その半数がスタートアップの経営者、残りの半数は上場企業や大学、公的機関、弁理士・弁護士など士業のサポーターで成り立っている。知財関連の活動として、知財の勉強会やセミナーイベントの開催、スタートアップの知財を活用した資金調達コーディネートなどを行なっている。

 スタートアップ、スタートアップ・エコシステム関係者、大企業等を結びつける活動の中で、知財の啓蒙や、知財専門家とのつながりの強化に貢献していることが評価された。

エコシステム部門のグランプリは、マスターマインドビジネスコミュニティ 土橋 幸司氏が受賞

奨励賞となった宇宙人クラブの福海 由加里氏(左)、株式会社IP Bridgeの吉村 岳雄氏(右)

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