ついにニコンのZシリーズに猫AFがきた!
とうとう来たのである。ソニーのαシリーズに次ぐ、猫瞳AF対応カメラが。Nikonのフルサイズミラーレス一眼「Z 6」と「Z 7」。この2機種は2018年秋発売なのだけど、地道なアップデートを重ねており、2019年には瞳AF対応や暗所AF性能向上のVer2.00に、先日のVer.3.00では顔認識&瞳AFが犬と猫にも対応したのだ。今のカメラはファームウエアのアップデートで機能が強化されることが多いので見逃せない。
今回はそのNikon Z 6で猫AFを楽しみまくろうという回。確実に猫AFを試せるところへいくぞってんで訪れたのは、いつもの「保護猫シェルターqueue」(クー)。
ゆっくり試そうと思ったら、最近、若くて元気な猫がいっぱいいて、そこら中で元気に走り回っていてもう大変。
しょうがないので諦めてわたしも猫と遊んできました……ではまずい。ぺたっと座ってこっちを見てる猫がいたので(名前を覚えられなくてすみません)、猫瞳AFが効いてる証拠写真を撮ろうとミニ三脚にZ 6を装着して猫に向けたのである。そしたら、遊びたくて仕方がない黒猫が後ろからそーっとやってきて首筋に! でもえらいもんで、ちゃんと撮影が終わるまで耐えてくれたのであった。感謝いたします。
この瞬間に撮った写真がこちら。良い顔をしてます。鼻がピンクと黒のツートーンなのがまたキュートで「鼻ハチワレ」と呼ぶことにした。
ちなみに横を向いても瞳を追いかけてくれた。
瞳が見えなくなると猫顔認識になるのだが、見失うことも。猫っていつも目線をくれるわけじゃないし、あっち向いたりこっち向いたりするので、一度瞳を捕捉したらあっち向いたりこっち向いたりと動いても追い続けてくれるとうれしいなあ。その辺はがんばれAIって感じかもしれないけど、そんな進化を期待しております。
で、鼻ハチワレを襲った、遊びたくて仕方がない黒猫が今回の冒頭写真。ミニキャットタワーの柱にじゃれてるとこを狙おうとしたら、目線をくれたので瞳AF発動の瞬間に撮ったもの。使ったレンズは50mm F1.8。フルサイズセンサーになると被写界深度が浅い(つまりピントの合う範囲が狭い)のでピンボケになりやすいわけで、そういうとき瞳に自動的にあってくれるとめちゃありがたいのだ。再び鼻ハチワレなんだけど(顔といい表情といい人なつこさといい最近のお気に入り)、ちゃんと瞳にフォーカスがきて、鼻の頭はちょっとぼけてる。素晴らしいのである。
このZ 6は細めで深いグリップは握りやすいし、背面モニターはチルト式なので猫目線での撮影しやすいし、サクサク撮れるのでかなり快適。特に猫瞳AFの精度は100%ってわけじゃないので(たまに瞳じゃなくて瞼にフォーカスが合ってたことも)、AF-Cモードにして何枚も撮るのがいい。不敵な顔でペロッとした瞬間とか、毛繕いしてる瞬間とか。
猫瞳AFに対応したことでわたしの中でぐっと評価が上がったZ 6。あとは猫撮りに向いたレンズが揃ってきたら、いよいよZシリーズも猫ミラーレスと呼ばれる日がくるかも。
ソニーのαとNikonのZが猫瞳AF、パナソニックのS1が動物認識AFと来た。キヤノンは開発発表したEOS R5のAF被写体検出で「犬・猫・鳥」の「全身・顔・瞳」に対応すると発表した。なので、とうとうキヤノンも来たかーーって感じ。残るメーカーもうかうかしてられませんな。いち早く猫瞳AFを搭載したソニーもさらに進化を求められるわけで、ちょっと楽しみである。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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