2020年2月3日、契約管理システム「ホームズクラウド」を展開するHolmes(ホームズ)は、弁護士ドットコムとの業務提携を発表。2020年の秋頃より、クラウドサインの電子契約機能をホームズクラウドの標準機能として組み込むという。
契約の一連のプロセスを統合管理できる「ホームズクラウド」
2017年8月にスタートとした「ホームズクラウド」は、契約の一連のプロセスを統合管理する契約管理システム。契約書の作成や承認、締結をはじめといた契約業務全般を統合管理できるのに加え、契約に関する相談・回答、やりとりで得られたナレッジも部署間で横断的に溜められるという。
ホームズクラウドの目的は企業や人が最適な契約を実現し、紛争裁判をなくすこと。弁護士として法律事務所で勤務していた経験を持つHolmes 代表取締役CEO 笹原健太氏は、「裁判に勝っても、クライアントは幸せそうじゃなかった。時間、お金、労力、信頼関係を浪費し、信頼関係も損なう。紛争裁判はないほうがいいと感じていた」と語る。
紛争裁判が起こる背景は、適正な契約が締結されていないからだという。もともと契約は単一の行為ではなく、契約内容が変更される複数回のライフサイクルを管理する必要があり、主契約に複数の関連契約がからんでくるため、複雑化することも多い。また、関連業務は複数にまたがり、担当者によってスキルもバラバラなので、権利義務の抜け漏れや非効率を生んでしまう。
これに対して、ホームズクラウドは契約を締結時、更新、終了までの一連のライフサイクルで管理できるほか、関連契約の紐付けも可能。複数の部署をまたいだプロジェクト管理機能まで包含しているため、部署間の連携や共有もスムーズになる。2017年8月のサービス開始以来、業種・業態や規模を問わず、多くの企業が導入しているという。
ホームズクラウドの電子締結はクラウドサインが標準に
今回のHolmesと弁護士ドットコムとの業務提携により、2020年秋以降ホームズクラウドの電子締結は弁護士ドットコムの電子契約サービス「クラウドサイン」が標準サービスになる予定だ。
2015年10月にローンチしたクラウドサインは弁護士が監修した電子契約サービスで、契約締結から管理までをすべてクラウド上で実現できる。「誰が」「なにを」に加え、締結後に改ざんされていないことを証明する電子署名の機能に加え、「いつ」「なにを」を締結したかのタイムスタンプを提供することで、法的証拠力を担保している。導入企業数は31万社を突破し、導入企業数は四半期で過去最高の伸びを記録。電子契約サービスの累計登録者数では、業界シェア8割を超えるという(2019年7月時点 矢野総合研究所調べ)。
Holmesの調査によると、契約業務においては、「承認に待ち時間がかかる」「過去の契約書が探せない」「承認フローが煩雑」などが課題があるという。手書きによる署名・捺印・郵送などがまだまだ多い中、電子契約と契約管理のニーズは日々高まっており、両社のシナジーにより市場拡大が期待できるとのこと。笹原氏は、「契約にはさまざまな種類があるので、単一のソリューションでは解決できない。企業の根深い『負』の部分を解消していくために両社で協力していく」と語る。
すでにホームズクラウドを利用しているユーザーはクラウドサインの電子契約をそのまま利用可能で、料金体系に変更はない。また、クラウドサインの実装後にホームズクラウドに契約した場合は、別途クラウドサインと利用契約を結ぶ必要がある。クラウドサインの電子機能を使う場合、1件あたり200円の契約送信費用が発生する。