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Xperia 1ロングランレポート 第34回

Xperia 1をGoogle Fiで最強の「世界スマホ」にする

2020年01月30日 10時00分更新

文● 中山 智 編集● ASCII

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 仕事でもプライベートでも海外渡航が多い筆者ですが、「Xperia 1(SO-03L)」を使う際に、ちょっとめんどうなことがあります。それがSIMの差し替え。キャリア版のXperia 1なので、シングルSIM仕様というのがネック。最近はAISのSIM2Flyのように割安で世界各国で使えるSIMを使うことも多く、デュアルSIM仕様のAndroid端末なら国内SIMと海外SIMを挿しっぱなしにしておけます。

 また、iPhoneはeSIMを採用しているので、海外での利用時はeSIMを使うことで、やはりSIMの抜き差しが必要ありません。

渡航のたびにSIMを抜き差しするのはめんどう

 これを解消するには、デュアルSIM版の「Xperia 1 Professional Edition」を購入するしかないのですが、税抜14万3000円と気軽に買える価格ではありません。それにセカンドSIMスロットはmicroSDと排他仕様なのも動画をたくさん撮る筆者にはマイナスポイント。

 そこで世界200の地域を同一料金で通信可能な「Google Fi」のSIMを挿して、SIMを抜き差しせずにモバイル通信ができるようにしてみました。筆者は2019年11月にアメリカへ行った際に、Googleから借りている「Pixel 4」でGoogle Fiの回線を開通しています。

 ただし、Pixel 4はeSIMでの開通。そこで開通した回線にプラスしてカードタイプの「データSIM」を発行。アメリカに住む知人宅を配送先にして受け取りました。

Xperia 1でGoogle FiのデータSIMを使ってみる

Google Fi契約者ならデータSIMが無料で発行できる

 このデータSIMはメイン回線の契約とデータ通信をシェアして利用します。ドコモの「データプラス」と同じような仕組みですが、最大4枚まで発行可能で追加料金も必要ありません。

Google Fiの利用料金は月額20ドル(基本料金、約2180円)+1GB/10ドル(最大60ドルまで)で12GBまで通信できる従量制と、基本料金込みで22GBまで通信できる月額70ドルの2プランがある

 ちなみに、アクティベートしていないメイン回線の番号を移せるGoogle FiのカードSIMも持っていますが、あえてデータSIMにしたのは「アメリカからの通話着信の多さ」が理由です。アメリカはいまだに通話文化のようで、開通したPixel 4にアメリカからよく電話がかかってきます。以前の電話番号を使い回す期間が短いようで、いわゆる間違い電話のほか、自動応答の勧誘電話も多いです。時差の関係で夜中に着信することもあり、これはこれで迷惑です。

 というわけで、手元に届いたGoogle FiのデータSIMを開通します。指定されたURLにアクセスして、SIMに記載されているシークレットコードを入力。あとはXperia 1にGoogle FiのSIMを装着。通知領域にアクティベートの案内が表示されているので、タップするとGoogle Fiアプリが起動します。この時点では電波を拾わずモバイル通信はできませんが、自宅のWi-Fiで作業はできました。アメリカへのVPN接続なども不要でした。

開通作業の手続きがSIMのパッケージ記載されている

シークレットコードはSIMカードに書かれている

ウェブサイトからシークレットコードを入力して開通作業スタート

SIMをドコモからGoogle Fiへと差し替える

 メイン回線にもできるGoogle FiのSIMカードにもシークレットコードはあるのですが、データSIMとは桁数も使われている文字も違っています。さらにSIMのデザインも違うので、データSIMを発行するには、まずメイン回線を契約しないとダメですね。

上がGoogle Fiのデータ用SIMで下がメイン回線に使うSIM

 Google FiアプリはXperia 1でもダウンロードできました。回線契約済みのアカウントならダウンロードできるようですが、機種によってはできないケースもあるようです。あくまで自分のケースではXperia 1でダウンロードできたということで。

Google Fiアプリからもアクティベート作業を続ける

 アクティベートが完了すると、すぐに電波をキャッチ。接続先も「Google Fi」になっています。APNはGoogle Fiアプリが書き込んでくれたのか、SIMの開通度には自動で登録されていました。

接続キャリアは「Google Fi」

APNは自動で設定されていた

 通信速度をテストすると、接続先が海外サーバーでPingが207ミリ秒でも、下り112Mbps、上り6.32Mbpsを計測しており、普段使うには十分な品質。さらに公式サイトでは、テザリングはサポートしていないと書かれていますが、こちらも問題なく使用できています。

通信速度も下りで100Mbps以上と問題なし

現状ではテザリングも利用できている

ただしアメリカ接続扱いになるので、動画配信サービスなどは使えない場合も……

 これで世界中ほとんどの国でSIMを抜き差しせずにモバイル通信ができる「Xperia 1」が完成しました! 今後は海外渡航時の手間がグンと減ります。が、Google Fi回線を持っているユーザーは限定されますし、現地プリペイドSIMとXperia 1の使い勝手も気になりますので、今後も海外でのSIMの抜き差しネタは続けていきます!

※Xperia 1(SO-03L)/Android 9で検証しました。

■関連サイト

筆者紹介:中山 智

 海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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