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バンドリ・ガルパ フルコンは狙える?

人気AirPods Proは音ゲーで使いものになるのか

2019年12月30日 12時00分更新

文● 外村克也(タトラエディット) 編集●飯島恵里子/ASCII

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AirPods Proでは8フレーム分のずれがある

 動画を確認すると、音声にエコーがかかったように聞こえる。ずれがある証拠だ。動画のフレームレート60fpsのうち、8フレーム分。つまり、133.3ミリ秒ほどの遅延があることになる。ためしに、ノイズキャンセリングをオフにしたり、外部音取り込みにしたりと試したが、変化はなかった。

 聴覚上の違和感を覚え始めるのが10ミリ秒からで、低レイテンシのDTM環境でも16.8ミリ秒程度。133.3ミリ秒もの遅延があれば、プレイには相当な慣れが必要となる。

 ガルパは、4分音符や8分音符程度の間隔でノーツがまばらに登場する際は、タップ時のある程度のずれは許容範囲内として「PERFECT」または「GREAT」と判定してくれる。これならコンボが途切れることはない。しかし、楽曲レベル26以上ともなれば、16分音符や8分の3連符ノーツをさばく必要がある。BPM180の楽曲なら16分音符で41.7ミリ秒、8分の3連符でも55.6ミリ秒の間隔でタップしなければミスとなる。

 ちなみに、高橋名人でおなじみの16連射でも、せいぜい062.5ミリ秒間隔。いかに音ゲー高難易度の世界が厳しいかがわかるだろう。

 この中で、AirPods Proの133.3ミリ秒のずれは、かなりきついものがあるはずだ。

普段利用している動画編集ソフトBlackMagic Designの『Davinch Resolve』。下部の音声の波形を見ると、上段のRX100M3で撮影したAirPods Proの音声が、下段のiPhone 11 Proの内部音声よりも遅れて鳴りはじめていることがわかる。その間は8フレーム

 楽曲レベル25で大きな違和感を感じなかったのは、無意識に音と画面のずれを認識し、自然と指を動かしていたのかもしれない。1曲あたりのノーツ数も500~700程度と多くはなく、フルコンボも取ることができる曲が多かった。

 楽曲レベル26を超えると、もうAirPods Proのレイテンシでは指と音のずれがはっきりとわかり、プレイに集中できなくなってしまう。ノーツ数が1000を超えるような曲では、まともにコンボが続かず、曲中に容赦なく差し込まれる大量のノーツをさばききれずに、ミスをしてしまうことが頻繁にあった。

 せいぜい200コンボ続けばいいほうだった。

屋外で発生する音切れが音ゲーには致命的

 屋外でガルパをプレイしたところ、音がプツプツと切れる現象も確認できた。駅周辺などの人が集まりやすい場所や、Bluetooth対応の車種が増えてた影響か駐車場での停車中でも、頻繁に音切れが発生してしまう。

 Bluetoothイヤホンが出始めのころ、こうした音切れに悩まされたユーザーは少なくないだろう。

 以前、初代のAirPodsを利用しているときはこうした音切れを経験したことがなかったが、AirPods 2、Proに買い換えてからはゲームに限らず、音楽を聴くときも音切れに悩まされることがある。

 もしかすると、H1チップ搭載などのハードウェアの変化が、アンテナ部分に何らかの影響を与えているのかもしれない。

 いちど音切れが発生すると、復帰してもさらに遅延がひどくなったように感じたり、曲によっては耳から聞こえる音と画面が完全に異なるペースで進行したりと、まともに遊べなくなってしまった。

 ゲーム内のイベントをせっせとこなすため、屋外では効率の良い高難易度曲をすき間時間にプレイしようともくろんでいたが、残念ながらAirPods Proの出番は少なかった。

 こうした場所でプレイするなら、有線のイヤホンのほうがいいだろう。筆者は、外出時にAirPods ProとEarPodsの両方を持って出かけるようにしている。

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