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バンドリ・ガルパ フルコンは狙える?

人気AirPods Proは音ゲーで使いものになるのか

2019年12月30日 12時00分更新

文● 外村克也(タトラエディット) 編集●飯島恵里子/ASCII

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音ゲーではケーブル付きで我慢するしかないのか?

 ガルパを日常的にプレイするにあたって、非常にわずらわしいと感じていたのが、イヤホンのケーブルだ。

 iPhoneでプレイする際、ホールドして親指でノーツ(リズムに合わせて登場するポインターのこと)をタップするというスタンダードなスタイルでプレイしているが、激しい連打の際にケーブルがぶらんぶらんと揺れまくって、めちゃくちゃ気になるのだ。

 また、ゲーム中は本体のバッテリー消費が激しい。さらに、スクリーンレコード機能を使って録画しようとなれば、iPhone 11 Proであってもみるみるバッテリーが減っていく。このとき、有線イヤホンがLightningコネクタを占有するので、充電しながらプレイすることができない。

 充電しながらイヤホンを挿せるタイプのアダプターが販売されているものの、接触が不安定であったり、位置どりが悪くプレイしにくかったりして、まだこれといった製品に出会えていないのが現状だ。

筆者が試した充電しながらイヤホンが使える製品のうちひとつ。たしかAmazonで購入したもの。ゲームプレイ時に横位置で持つと、力が入ったときに傾いてしまうのか、接触が安定せず使い物にはならなかった

 「じゃあワイヤレスイヤホン使えばいいじゃん」となるのだが、音ゲーの場合はそうもいかない。ワイヤレスはケーブル直結にくらべて情報の伝送量が格段に少ないので、本体で音声信号を圧縮(エンコード)し、イヤホン側で伸張(デコード)する。この間、わずかながら遅延が発生する。

 ほんとうにわずかな時間だが、音ゲーではこの遅延が痛い。

 ガルパでは180~200BPMの曲が大半を占めている。BPMとは、曲のテンポを示す単位で、数値が大きいほど速いテンポの曲ということになる。

 仮に180BPMの曲であったとすると、16分音符の間隔は83.3ミリ秒。つまり、83.3ミリ秒ずれると画面へのタップと音が合わず、リズムに違和感を覚えはじめる。166.7ミリ秒以上ずれるとなれば、相当な慣れが必要になるはずだ。

 ガルパでもっとも速い楽曲は『GO!GO!MANIAC』の250BPM。これだと60.0ミリ秒で16分音符ひとつ分ずれてしまうので、こうしたテンポの速い楽曲にとって音声の遅延は致命的。

 先頃、ゲームデバイスメーカーのRazerは、低遅延60ミリのワイヤレスゲーミングイヤホンを発表した。しかし、それでも遅いという、とてもシビアな環境を求められるのが音ゲーの世界だ。ちなみに、画面表示にたとえると、60.0ミリ秒は60fpsのうち3~4フレーム分に相当する。

 また、音ゲーではワイヤレスイヤホンの利用を想定して、音のずれをゲーム内で調整できる機能を持つものが多い。ガルパにも、もちろんこの機能が実装されている。しかしながら、調整で数値を大きく変えると、タップした際のリズム音と、実際の音楽のタイミングが大きくずれて、逆にプレイに集中できなくなってしまう。

 それゆえ、音ゲーは有線イヤホンでのプレイが基本。というのが、音ゲーマーの常識となっていた。

 こうした状況の中で、AirPods Proに注目していたのには理由があった。2019年1月に発売されていたAirPods 2は、H1チップを搭載することで前機種より遅延を30%ほど低減している。AirPods Proにも同様にH1チップが搭載されていることから、音ゲーのプレイにも耐えるのではないか、と予想していたのだ。

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