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Xperiaはゲーム機なのか!? ソニーモバイルに聞くゲーム戦略

2019年12月31日 12時00分更新

文● スピーディー末岡 編集●ASCII

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eSportsでのXperiaの存在感

――夏に開催されたeSportsの大会「STAGE:0」でも公式端末として採用されましたよね。

田倉 そうですね。eSportsで使われることが⼤前提ではないんですが、eSportsにも耐えられる仕様ですし、端末としての魅力も十分だと思っているので、そこに興味があるユーザーさんにXperiaを見ていただきたいなと思っています。eSportsはそんなきっかけのひとつになればと思っているので、ゲーマーが集まるところにはどんどん顔を出していこうと考えています。

川原崎 あとは、我々の商品開発プロセスの中で、プロの方々や、プロの現場で使ってもらうという施策をやってきています。eSportsや東京ゲームショウでXperiaを使ってもらい、今後どの部分の機能を拡張したらより良くなるか、どこを改善したらいいのかといったフィードバックをもらっています。商品開発の立場からしても、非常に学ぶところが多い場所ですね。

田倉 具体的には、Xperia 5のゲームエンハンサーでサポートしている「カメラキー無効」の機能です。端末を横に持ったときに誤ってカメラキーに触ってしまい、カメラが起動してしまうという意見が実際にeSportsの現場で出てきたので「じゃあカメラキーを無効にできる機能を入れましょう」と。そのように、現場からの声を積極的に商品開発に取り入れています。

――確かに私もXperia 1でゲームやりますけど、どうしても力が入るとカメラキーを押してしまって、カメラに切り替わっちゃうことがあります(笑)。

田倉 いずれXperia 1にもアップデートがくると思うので、お待ちください(笑)。

川原崎 ゲームを遊ぶ人だと、おっしゃった通りカメラキーやスリープキーを押してしまうのが困るという意見もありますが、Xperiaはマルチデバイスなので、カメラをメインで使っている人からは全然違う意見も出てきます。なので、それぞれのコミュニティーでユーザーの声を聞いて、どう改善するのかを集めてXperia 1や5、もしくはその次のモデルでブラッシュアップして、進化させていくのをXperia全体として目指していきたいと思っています。

ゲーミングスマホとの立ち位置の違い

──他社のゲーミングスマホは気になりますか?

田倉 もちろん競合メーカーの⽴ち位置は⾒ています。ただ、弊社が見ているターゲット層に対してどのような体験を届けるかが一番重要だと考えています。

川原崎 Xperiaとしては、カメラにこだわる⼈、ゲームにこだわる⼈、ディスプレイにこだわる⼈たちそれぞれに納得いただける製品を目指したいと考えています。

加藤 ゲーム自体もどんどんハイパフォーマンスになって、スマホ側の高い処理能力が求められています。そんなトレンドを見ながら、快適に遊べる設計というのも両立しています。

――Xperia 5からカメラ位置が変わりましたよね。ゲームを遊ぶときにうっかりレンズに触ってしまいそうなのですが……。

川原崎 Xperia 1からカメラの位置を変えたのは、Xperia 1とほぼ同等の機能を詰め込みつつスリムダウンさせるときに、内部構造的に最適なレイアウトを選択したことが理由です。確かにおっしゃるとおり、ゲームをやっているときにカメラに触れてしまい、指紋が付いてしまうこともあると思いますので、今後そういった声も踏まえて、改善の検討はしていきたいです。

田倉 ゲームは縦や横など色々な持ち方があるので難しいんですよね。

――ちなみに、ゲームエンハンサーの機能について、ゲームメーカーからの意見はあるんですか?

田倉 メーカーさんは「ゲーム体験を良くしたい。でも、対人戦なのでチートはさせたくない」というバランスがあるので、当然Xperiaだけが勝ててしまうようなことは望んでいません。Xperiaのためにゲームを作っているわけではありませんからね。だからこそ、ニュートラルでありながらゲームを邪魔しない機能を作り出すことに対してはポジティブです。たとえば、録画ができるとか。ただ、マクロとかは触れない方向です。ゲームを遊んでいない時間もレベル上げをするとか、そのような機能はゲームエンハンサーで目指している方向性とは違うと考えています。

今後も積極的にゲームイベントに参加していく

――今後ゲームについて考えていることがありましたら、教えてください。

田倉 そうですね。IFAでXperia 5を発表したときに、DUALSHOCK 4のサポートを発表したことを踏まえて、ドイツでもっとも著名なTrymacsさんというPCでフォートナイトをプレーしているゲーマーさんに、あえてコンソールでやってもらって、その良さを彼のコミュニティーから発信してもらうといった施策を行ないました。今後も同様のアプローチはどんどん継続していく予定です。先ほども触れましたが、eSportsやモバイルゲームのイベントには今後も積極的に参加していく予定なので、来年以降もぜひご期待ください。

加藤 われわれはユーザーさんの声をできる限り取り込んで、いいものを作っていきたいと思っています。Androidはゲームがやりづらいとか、どれも同じでしょと思われてしまわないように、ゲーム体験を日々進化させていきたいなと。もし手に取る機会があれば、Xperia 1/5でゲーム体験をしていただいて、今後の機種の進化も見ていただきたいと思います。

──ありがとうございました。


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