VRAMは4GBまたは8GBが選択可能
ではRX 5500 XTのスペックを確認してみよう。いわゆる“Navi10”系列の製品であるため、GCN世代に比べ処理効率を大幅に向上させたこと、さらに7nmプロセスによるワットパフォーマンスの改善、“Radeon Media Engine”の搭載、さらにはPCI Express Gen4への対応などは共通している。
ただRX 5700シリーズのレビューでも判明した通り、PCI-Express Gen4対応は今のゲームにはメリットはないが、それ以外の特徴は全てRX 5500 XTのアドバンテージとなる。特にVRAMがGDDR6で8GB載せてきたという点は、ライバルであるGTX 16シリーズに対する大きなアドバンテージだ。
メモリーバス幅が128bitと、RX590の半分に削減されているがGDDR6採用によりメモリーデータレートが高速化したのでメモリーバス幅は128bitで十分、ということだろう。
RX 5500 XTのもうひとつつのポイントはTBP、すなわちTypical Board Powerだ。RX 590は14nmのRX 580を12nmにシュリンクし、やや高クロック化してリリースされた製品だが、結果として今の時代のミドルクラスGPUとしてはやや高めの225Wになってしまった。
しかし、RX 5500 XTは7nmプロセスになった結果、TBPは130Wにまで低下。補助電源は8ピンであることは変わらないが、ようやく現行アーキテクチャーのミドルクラスGPUが出てきたな、という感が強い。TDP130W化が消費電力にどう影響するかは後ほど検証するとしたい。
ちなみに、RX 5500 XTのレビュアーズガイドではTBPは“Total Board Power”と表現されているが、RX 5700シリーズではTypicalと表現されていたので、こちらを採用した。
この連載の記事
-
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 -
第432回
自作PC
第14世代にもKなしが登場!Core i9-14900からIntel 300まで5製品を一気に斬る -
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 - この連載の一覧へ