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OPEN異能(Inno)vation 2019、令和初の授賞式が開催

1万5000件近い応募から選ばれた受賞者を表彰

 奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する人を支援するため創設された“異能vationプログラム”も今年ではや6年目。その令和元年度の受賞式となる「OPEN異能(Inno)vation 2019」が10月30日、東京ミッドタウン日比谷 BASE Qにて開催された。

 今年の異能vationプログラムは、昨年度比の127%に増えた1万4488件の応募があり、協力協賛企業も185団体に増加している。授賞式は「破壊的な挑戦部門」最終選考通過者と「ジェネレーションアワード部門」ノミネート者が一堂に会し、会場も満席という盛況ぶり。また授賞式を主催する総務省の高市早苗大臣をはじめ、多数の国会議員が訪れ、異能vationプログラムへの熱いエールを贈った。

新たな取り組みが加わる異能vationプログラム

 授賞式に先駆け、異能vationプログラムに今年から加わる新たな施策が発表された。これらは異能vationプログラムにより厚みを持たせる施策で、ちょっと変わった人材を異能にいく前から発掘して教育する「プレ異能vationスクール」、協力協賛企業が出す課題に挑戦する「異能グランドチャレンジ」、地球規模で異能情報を発信する「異能メディアの立ち上げ」、発展途上の異能βをプロフェッショナルが様々な支援を行う「異能マスターズプログラム」の4つだ。

・プレ異能vationスクール
 地域における変わった人材を教育するプレ異能vationスクールは、全国36のスクールでそれぞれの地域課題に取り組む、試み。通常の学校では同じことを教え、覚えていくが、プレ異能vationスクールはみんなやることが異なり、そのやることが違うネットワークができあがる。プレ異能vationスクールとして手を挙げたのは下記36校となる。

サイエンス・サポート函館
学校法人札幌日本大学学園 札幌日本大学高等学校
D-SCHOOL北海道
株式会社HARP
大郷町地方創生推進協議会
あきた宇宙コンソーシアム
山形県立米沢東高等学校地歴公民ゼミ
次世代インターネット活用事業研究会
エフエム大阪音楽出版株式会社
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校
株式会社こころみ
学校法人尚美ミュージックカレッジ専門学校
学校法人東京富士大学 日野ゼミ
FizzBass合同会社
サンテクノカレッジアート×テクノラボ
テラコヤアイオーティー
学校法人金沢高等学校
コワーキングスペースプロコワ
学び舎mom株式会社
名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校
オムロン株式会社
あすはな先生
ScribbleOsakaLab
八尾市役所
国立大学法人奈良女子大学
公立大学法人神戸市外国語大学
一般社団法人RoFRec
国立大学法人香川大学
情報通信交流館e-とぴあ・かがわ
株式会社香北ふるさとみらい
学校法人純真学園
一般社団法人まちはチームだ
aside-満寿屋-
特定非営利活動法人若者・留学生サポートステーション響
糸満IoTクラブ
TECH!forISHIGAKI

 今回授賞式の司会も務めたプログラム推進大使の古坂大魔王氏は「地方は東京以上に異能が埋もれ、本当に変わり者で終わってしまうし、東京から見ていても届かない。北は北海道から南は沖縄まで、近いところにスクールがあることが大事」と述べ、「いろんな地元ごとにローカライズされたスクールがあるのがいい」と、この施策をアピールした。

 プレ異能vationスクールとして選ばれた、札幌日本大学高等学校の理事長 浅利剛之氏は代表して挨拶。「日本の教育は同じ価値観で同じ教育が求められているが、これからは創造性や独創性に着眼しないといけない。そういう点にメスを入れて、創造性・独創性を持つ生徒を引き上げたい。イノベーションはかけ算であり、いろいろな人と出会うことでかけ算を大きくし、学校文化を壊していきたい」と意気込みを語った。

・異能グランドチャレンジ
 異能vationプログラムではこれまで自由課題に対して表彰を行っていたが、答えを出す人がいないのではなく、答えを求める課題を作ることが大事だということで協力協賛企業からの課題に挑戦する異能グランドチャレンジが作られた。協力してくれる協賛企業は13社で、それぞれの課題について懸賞が出る形となっている。協賛企業からの課題は下記の通りだ。

WILLER株式会社:自動運転車両を活用した世界初のサービスの提案
懸賞金10万円

Radiotalk株式会社:通勤、通学中に思わず聞きたくなってしまう今まで聞いたことのない音声(音楽は除く) 懸賞金10万円

株式会社ジンズ:まばたきや体の動きのデータから「XX」を検知できるようにするための、世界的にも類をみない研究スキームアイデアコンテスト 懸賞金10万円×10企画

株式会社シンクライン:ドローンによる鳥獣駆除 懸賞金33万円

株式会社HRK:世界初のサービスに向けたカレースパイスの自動調合システムの開発 懸賞金100万円

日本エンタープライズ株式会社:安全な「ながらスマホ利用」をサポートするアプリ・ハードを開発するチャレンジ 懸賞金100万円

株式会社エヌ・ティー・エス:プログラミングのミライを創るプログラミング教育を円滑にする教育者向けコミュニティサービス 懸賞金100万円

みらかホールディングス株式会社・株式会社カタリナ2社合同:AIとエンタテインメントを組み合わせたスマートフォンによるヘルスチェック手法の開発チャレンジ 懸賞金100万円

株式会社ジンズ:入力操作の制約を取り払う目の動きが分かる革新的なメガネを使って、目だけで文字入力チャレンジ 懸賞金300万円

株式会社ジンズ:ゼロから考える「目の動きが分かるメガネを使った、モバイルデバイスのハンズフリー操作UI」コンテスト 懸賞金300万円

株式会社IACEトラベル:ビジネスマンの未来を変える 海外出張者に役立つアプリを開発 懸賞金500万円

株式会社ガイアックス:資本主義社会の歪みによって起っている問題を、人のつながりによって解決する事業の創造 懸賞金:1000万円

学校法人純真学園:リアルタイムに全世界の医療情報わかる、世界初医療ニュースプラットフォームを開発 懸賞金1000万円

サントリーホールディングス株式会社:健康改善を目的にしたユーザビリティを各段に高め、今まで考えもつかなかった生体計測技術を開発 懸賞金3000万円

医療法人社団福祉会高須病院:流れる水に“YES”を書く 懸賞金5000万円

 賞金総額は1億1653万円ともなる異能グランドチャレンジ。各課題の詳細は11月末までに、異能vation公式サイトにて発表される予定となっている。協賛企業である高須病院の高須克弥院長は「流れる水に“YES”を書くという課題を考えると分子工学的な難しい分野になりそうだが、イノベーションというのは考えもつかなかった、コロンブスの卵的な発想でできるかも知れない。いっそ子どもたちにやらせてみたら簡単じゃないといってささっとやりそうな気もする。挑戦には努力賞も考えます」とコメントした。

・異能メディアの開設
 異能vationプログラムはその応募で賞を取って終わりではなく、その先につなげて広げていくことも大事であるという観点から、異能vationプログラム卒業生やメディアなどと連動した、地球規模で異能情報を発信する異能メディアの開設が発表された。このメディアでは卒業生による独自メディアとして異能vation的情報を発信するWebメディアとなる。卒業生は自身のポートフォリオを掲載し、意見を募ったり、ブラッシュアップすることができる。

 さらに海外Webサービスとの連携を行い、現地サポーターの力を借りて案件を紹介できるメディアとなる。連携の第1弾は、今回プログラムアドバイザーを務めたQuora CEOで元Facebook CTOのアダム・ディアンジェロ氏が創業した世界最大級の知識共有プラットフォーム「Quora」が予定されている。他にも国内外のメディアサイトとの連動も行われる。

・異能マスターズプログラム
 破壊的な挑戦部門で1年間の研究が終了しても、それで終わりではなく、その後、継続的に活動していかなければならない。その実現や社会実装にはさらなるブラッシュアップや企業との連携などが必要であり、それを支援するプログラムとして用意されたのが異能マスターズプログラムだ。メディアを含めたプロフェッショナルによる様々な支援がなされ、世界発信の支援も行われる。

 この異能マスターズプログラムについての詳細も、後日異能vationプログラム公式サイトにて発表される。

今年も独創的なアイデアが集まった「破壊的な挑戦部門」

 「破壊的な挑戦部門」には今年1301件の応募があり、そのすべてについてスーパーバイザーが評価を実施。一次選考通過となる挑戦課題32件が決定した。授賞式ではこの中から最終選考通過者9名が発表された。2019年度破壊的な挑戦部門の最終選考通過者は下記の通りだ。

生駒卓也:Deep Learningを用いた都市圏での天体写真撮影
石井洋介:「うんこ」と「美少女」で大腸がんの早期発見を目指すアプリ「うんコレ」
江草宏:iPS細胞の腫瘍化を回避した骨再生治療への挑戦
鈴木完吾:書き時計
鈴木遼:環境に融け込まれた群ロボットによる新たなヒューマン・ロボット・インターフェイスの提案
滝沢彰:ノイマン型2進演算を超越した3次元デジタルを用いた7進演算装置の構築
福原洸:ロボットよ,ワルツを踊れ!
藤原麻里菜:YouTubeチャンネル『無駄づくり』にて無駄なものを作り続ける
吉原順一郎:SIMカード内蔵らくらく補聴器の開発及び高齢者向けサービスプラットフォームの構築

 最終選考通過者は事務作業の代行(上限300万円、最長1年)の支援が受けられる。授賞式では選考に当たったプログラムアドバイザー、スーパーバイザーからそれぞれコメントが寄せられた。

外村仁氏(Scrum Ventures Partner First Compass Group, General Partner、前Evernote Japan会長) 「異能vationプログラムも破壊的な挑戦だけでなく、上から下まで裾野が広がり、ますます収集がつかなくなっています。それが非常に異能vationらしいなと思い、これからどうしていくかと考えながら、感慨深く見ました」

まつもとゆきひろ氏(一般財団法人Rubyアソシエーション理事長) 「事前審査がなく、1300件の応募を全部見るということで、ますます応募が増えたのはうれしい悲鳴です。異能vationは変わった人、普通と違った考えの人を選ぶというのがすごく難しく、自分が理解できないかも知れないし、妄想だけという応募もありますが、そういう妄想を外してすぐれたアイデアを選べました。ただ、純粋にソフトウェアの提案が多くないので、ソフトウェア関係の人たちはがんばって提案していただければと思います」

牧野友衛氏(トリップアドバイザー株式会社 代表取締役) 「応募が増えるのはうれしいが、見るのもたいへんでした。しかし、楽しく審査させていただきました。いろいろな応募が増え、技術に関係なく、社会問題の課題をどう解決するかについての応募があったのが今年変わった点です。これからも応募が増えて、2000件になったとしても全部見ますので、情熱を持って応募してください」

高橋智隆氏(株式会社ロボ・ガレージ代表取締役社長、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授) 「非常に難しい審査でした。どの案件も意見が分かれる感じですが、イノベーティブは全員が全員というのではなく、賛否半々がちょうどいいと思います。そういった点では異能vationらしいと思います。これからもいろいろな機会があると思うので、それを活かしながらアイデアを成長させて、真のイノベーターが誕生することを期待しています」

高須克弥氏(医療法人社団福祉会高須病院理事長、高須クリニック院長) 「自分の心を震わせる応募を見つけるとたいてい妄想の方ばかりで(笑) 現在、自身がガンにイノベーションしていることもあって、大腸ガンとうんこのアプリをこれがいいといって応援しました」

原田博司氏(京都大学大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻 教授) 「毎回たいへんなことは、最後まで意見が統一されないということです。誰が選んだのかわからない案件もありますが、それがなんとなくうまくいってしまうということがすばらしいところです。スーパーバイザーのみなさんの目利きがすばらしい。しかし、みなさん評価を外れるとそうだねと頭さげるんですけど、心の中では全然違っていて、それを事務局の福田さんがとりまとめる。その不満がたまると僕に電話が掛かってくるので、何のことかわからないので『そうですね』というのが僕の役目。審査側でうまくエコシステムができあがっています。応募案件もうまいエコシステムを作るような案件にしていただければと思います」

川西哲也氏(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 電子物理システム学科 教授) 「件数が多くて苦しみながら、しかし楽しみながら評価しました。若い人からリタイアした人までいろいろな人が応募してくれました。手を上げてくれたことを賞賛しますが、手を上げなくても応援することに非常に意味があります。実際にやるだけでなく、いろいろな関わり方があるので、ぜひなんらかの形で関わってくれればと思います。そして、今回選ばれた人にはどこかしらとがったところがあるので、それを伸ばしてほしいです」

小川エリカ氏(元ギネスワールドレコーズジャパン株式会社~「匠ニッポン」プロジェクト~代表取締役社長) 「異能vationの活動自体は毎年成熟してると思います。会社の取引でいろいろな場所に行きますが、名刺にノミネートされてることが書かれていたりします。みんな異能の関わりを持つことがすごくモチベーションになっていて、こちらとしてもワクワクしています。異能vationに応募しながら、どうしたら異能に思われるのかを考えている。そういう方たちが周りに対してどう思う? と広めていくことが日本に、そして世界につながっていくのかなと思いますので、ぜひコミュニケーションしていってください」

上田学氏(米国MODE, Inc. CEO) 「毎年おもしろいものが出てくると思っています。選ばれる方やプロジェクトというのは、放っておいても情熱を持ってやられている方。それがこの機会に見つかり、それを応援させていただくという形になっています。異能vationプログラムに選ばれるのは、こういうことをやりたいから応援してくださいというよりも、もっと軽い気持ちでこんなことをしていますと発信してくれるだけでいいと思います。その中からおもしろそうだなという人にスポットライトがたまたま当たる。実際に応募していただいた後、終わるまでの間、思っていた通りになることはほとんどなく、やってるうちに見つかることがいろいろあります。引き続き情熱を持ってやることで、思いもよらないブレイクスルーが起こる。そういうことを審査会、中間発表、最後の評価会で見たり、聞けたりするのがほんとに楽しみで、スーパーバイザーをやってよかったなと思います。来年はもっと多くの提案をみる覚悟でいるので、どんどん挑戦してください」

アダム・ディアンジェロ氏(Quora創業者兼CEO、元FacebookCTO) 「知識とそれに対するアクセスすることが大事で、それがイノベーションのもとになっています。シリコンバレーでは地域的に人がぎゅっと集まっていていろいろなディスカッションが起こっており、それがイノベーションの元になっています。Quoraは知識の共有を行う場を作ろうとして始めました。それによって、シリコンバレーで生まれた知識を違う地域に広げることがでできるようになり、イノベーションが世界中で起きることが可能になってきたと思っています。プログラムアドバイザーに就任することで、知の共有をより進めることに協力していければと思っています。アメリカではこのように様々な会社が集まり、政府まで一緒になるプログラムはないので、本当にすばらしいと思ってます。イノベーションは長い期間をかけて育む必要がありますが、資金面など、いろいろたいへんなことがあり、その過程でイノベーションの種が死んでしまうことがあります。しかし異能vationのようなプログラムがあることでイノベーターを助けることができるのはとてもいいと思います」

未来がよりよくなるようなちょっとしたアイデアが集まった
「ジェネレーションアワード」

 ICT分野における、未来がより良くなるような、ちょっとした独自のアイディアやこだわりの尖った技術や物、自らが発見した実現したい何かについて応募を受け付けた「ジェネレーションアワード」では1万3187件もの応募が集まった。その中から協力協賛する185団体の企業が審査を行い、185件の応募がノミネートされた。授賞式ではこの中から選ばれた分野賞と企業賞を表彰した。分野賞を受賞した方々は下記の通りだ。

・何かが新しく見えるようになる分野
吉田貴寿:物体をタッチしている箇所の3次元座標をリアルタイムに計測する点型デバイスの開発

・匂いに関する分野
日本セイフティー株式会社:『ラップポン』(自動ラップ式トイレ)

・何かどこかに届くようになる分野
株式会社グラッドキューブ:スパイア【SPAIA】|スポーツ×AI×データ解析総合メディア

・大きく広がる分野
山田駿介:人の神経をまねた人工神経センサとその視覚拡大・補強への応用

・時間が変わる分野
株式会社西海クリエイティブカンパニー:LINEに画像を送ると、AIが3秒で文字起こし「文字起こし ばりぐっどくん」

・高く到達する分野
ロベル・アダム:既存の組織形態におけるコミュニケーションでは解決が難しい地球規模の課題への自然思考的アプローチ

・何か・どこか・誰かとつながる分野
株式会社Co-LABO MAKER:研究設備・技術のシェアリングプラットホーム「Co-LABO MAKER」

※何かが新しく聞こえるようになる分野、触ることに関する分野、味に関する分野の3分野は該当なしとなった。

 分野賞について異能vationプログラム事務局の福田氏は「ここからまたスタートというのがイノベーション。ちょっとしたアイデアもあるし、できてるもの、これから伸ばしたいものもある。協賛企業とマッチングしながら作り、できてるものは応援して世界にも出していきたい」とコメントした。

 企業賞は協力協賛企業が独断で選び、19の案件が受賞した。

・株式会社IACEトラベル企業特別賞
株式会社シェアグリ:農業人材のシェアリングにより農家の人手不足を解決日本初!農業に特化したデイワークアプリ『シェアグリ』

・株式会社アクセストレードセンター企業特別賞
つじりゅういち:ドローン災害予測システム DSYS

・WILLER株式会社企業特別賞
井戸直登・高田佳実・高階日奈子・前川琴美:LoRaWANを用いた新配車サービス~地方高齢者のQOL向上で誰も取り残さない社会を目指す~

・株式会社HRK企業特別賞
hachidori株式会社:アルバイトの課題を解決する、アルバイトテックプラットフォーム「CAST」

・株式会社NTTデータ企業特別賞
土井滋貴:4D光クレヨン

・株式会社エフエム大阪企業特別賞
佐藤慎:細かく小さいロボットから生まれる形が自由自在に変形するロボット

・欧文印刷株式会社企業特別賞
山田貴子:点字ブロックがブロック(邪魔)だなんて言わせない!「音声誘導ICT点字ロード」

・株式会社ガイアックス企業特別賞
林志洋:高齢者の問題は高齢者だけで解決しない。若者とシニアの共創によるアントレプレナーシップ育成プログラム

・株式会社コーエーテクモホールディングス企業特別賞
Olga:SOUND FABRIC ORCHESTRA――音を着る、ファブリックスピーカー

・佐藤ゼネテック株式会社企業特別賞
池田優斗:119番アプリ

・株式会社CGL企業特別賞
宮崎英一:障害VR体験による障害者理解の一歩 ―自閉症者の感覚過敏疑似体験を通じて―

・シャープ株式会社企業特別賞
前田学:散乱光や反射光を最大限利用する針葉樹型太陽電池による直流電源装置

・株式会社ストレッチ屋さん企業特別賞
桑田明:敬語CHANGER yell 【K5クン・ため口さん】

・素数株式会社企業特別賞
重浩一郎:ブレインストーミングを進化させる「バーチャル付箋紙」

・株式会社ダヴィンチ・ブレインズ企業特別賞
眞鍋美祈:HITORIMO-ZEN- ぜんまいと電気のコラボレーションによる、太陽を感じる香りの窓

・株式会社道企業特別賞
松井瑞貴:SPELL MASTER スペルマスター :「英語学習」を「魔法学習」へ変える魔法陣

・株式会社フリースタイル企業特別賞
川村裕介:ほっこりボタン

・株式会社Nextwel企業特別賞
佐藤直人・大塚喜晴・堀口リオン・松田瑚洸瑠・張玉:筋電義手普及の問題の解決に向けた、マイクロホンを用いた筋電位によるバーチャル筋電義手とそのアプリケーションの開発

・株式会社みらいワークス企業特別賞
GVA TECH株式会社:AI契約書チェックサービス「AI-CON」

 ジェネレーションアワードでは分野賞に賞状とクリスタルトロフィ、副賞20万円を授与。企業賞では各企業から賞品が贈られた。

多数の国会議員が訪れた授賞式

 高市早苗総務大臣をはじめ、多くの国会議員が会場を訪れ、展示ブースを見学したり、懇親会でコミュニケーションを行った。現在異能vationプログラムに関わっている方々だけでなく、立ち上げ当初から応援する議員、総務省以外の議員も駆けつけており、本プログラムへの関心や期待の高さが伺える。最後に、会場ので挨拶された議員の方々のコメントをお送りする。

総務大臣 高市早苗氏 「異能vationプログラムは2014年度から総務省が開始しました。前回大臣だったのが2014~2017年で、そのときジェネレーションアワード創設しました。ちょっとしたアイデアでも応募できることで、多くの国民にイノベーションにチャレンジしていただきたいという、裾野を広げる政策でした。そのちょっとしたアイデアがいまは社会実装されていると伺ってうれしく思っています。 いまの日本は、人口減少が大きな課題ですし、自然災害への対処、命をどう守っていくかも大切な課題です。IoT、AI、5Gなど技術がどんどん発達しています。生産性を上げたり、暮らしを便利にしていくツールは揃い始めていますが、サイバー攻撃も増えています。いかに安全に安心に最新技術を使っていくかという課題もあります。長寿社会の日本で、年を取っても安心して便利に幸せに生活できる、そういう日本になるとすばらしい。今年もすごいアイデアが出てきて、協力協賛企業の方が社会実装に向けて後押しをしてくださいます。みなさんの力で日本を安心して暮らせる安全な国、便利で生産性が向上して、持続的な成長を続ける国にしていきましょう」

総務副大臣 寺田稔氏 「今年度から新たに二つのプログラムを追加することができました。一つはプレ異能vationスクール。ニューフロンティアを切り拓く方々に、スクールの形を持っていただく。このスクールの存在は異能vationをレベルアップしてくれると思っています。もう一つが異能グランドチャレンジ。挑戦を行うことで社会的に大きな変革をもたらすイノベーションを推進して、社会基盤、新たな成長戦略につなげていきます。さらなるみなさんのイノベーティブ、クリエイティブなチャレンジを応援していきたい。ニューフロンティアを切り拓いてください。総務省は応援団として活動してまいります」

総務大臣政務官 木村弥生氏 「少子高齢化や人口減少が進み、生産人口が激減するなかで特に地方で大きな危機を迎えようとしています。こうした社会課題を解決し、我が国の豊かな未来を作っていくためには既存の思考の延長線上にない発想や技術などにより世界の産業、社会構造を劇的に変化させるような破壊的なイノベーションが重要です。我が国の協調性を大切にするというすばらしい文化は破壊的な人を認めることにはなじみにくいという土壌があると言われていましたが、この5年にわたって実施してきた異能vationは多くの方々の協力と共感を得て、破壊的なイノベーションに向けた環境作りに貢献してきたものと思います。さらに新たな取り組みであるプレ異能ベーションには、我が国の異能をさらに見つけ、大きく育て、そのことによって我が国をさらに前進させる強力なエンジンとなることを期待しています。これからの人生100年時代に、誰もが健康で活躍できる、そんな社会の実現につながっていくことを期待しています」

自民党デジタル社会推進特別委員長 平井卓也氏 「総務省イベントの中で異能vationがいちばん好きです。これほど年々盛り上がる政策はいままでほとんどありません。多くの関係者の期待が大きくなっています。以前、日本の若者によるピッチを受けましたが、ポテンシャルは極めて高いが、それを花開かせてビジネスにしてというような力は弱いと感じました。それをてこ入れしようというのが先日発表した、スタートアップエコシステムの拠点形成というプログラムです。令和という時代は現在の延長線上ではいろいろな問題が健在化してしまいます。そういう中で思い切ったイノベーションをおこす人たちを発掘し、花開かすというシステムが必要で、いろいろなことにチャレンジできる人たちを日本主導で作ろうという、ムーンショット型研究開発というものもスタートしました。そのいちばんベースになるところにいるのが異能vationです。原石を発掘して幸運をもたらそうとしているこの異能vationのような取り組みを多くの人が知っていただいて広げていただけるようにお願いしたい。イノベーションはみなさんのものであり、システム自体を社会に実装できるようにそれぞれがんばっていただければと思います」

衆議院議員 新藤義孝氏 「異能vationを始めたときに総務省の大臣をしており、みなさんと一緒に企画を作りました。そもそも変な人プロジェクトとして記者会見で発表したのですが、全国から300件もの電話が殺到しました。制度が始まる前に問い合わせがあるのは前代未聞でした。それだけ異能vationがみんなに琴線に触れた。自分でもできるかなと思われたのがうれしい。応募は最初は5年で20倍になり、5歳から87歳まで応募しています。政府が行っているもので未成年が応募してくるものはほかにはありません。それは私たちの誇りです。現在東大合格の倍率が3.2倍、ハーバードが20倍、異能vationは130倍です。これも胸を張っていい。すべての発明はほんの少しのところ、あるいはありえないでしょうと思った破壊的な考えの中から生まれることも歴史が証明しています。それを我々が実現しようとしています。異能vationで入省した山梨県の高校生がフォーブスの『世界を変える30人』の一人に選ばれ、東大に一芸入試で合格しました。授賞式の日に世界の大手GAFAから引き抜かれて、そっちにいくので出席できないという人もいました。そういう可能性をたくさん秘めながら、たくさんのひとたちが志に燃えておいでいただいてると思うとほんとにうれしく思います。大臣は終えていますが、仲間の一人として参加させてもらっています。日本、政府、議会、国民みんなで一緒になって、新しい試みを成功させて爆発させましょう。素晴らしい能力のある人に機会を持ってもらい、きかっけを作って大きくとがってもらう。それが国の経済成長や国の発展につながっていく一つになったら最高です」

衆議院議員 伊藤達也氏 「今年もワクワクしながらお伺いしました。初年度から参加していますが、最初は総務省が“変な人”を認定するということでだいじょぶかなというふうに思いましたが、毎年のようにノミネートが増えている、“いけてるプログラム”です。それだけ変な人がイノベーションを生み出す、日本の新しいイノベーションのエコシステムを作り出すことに感動します。日本を代表するイノベーターの方々が審査員をして、関係者が工夫をしながら日本全国からすばらしい人たちを掘り起こしている。そのネットワークが生み出されるという意味ではすごく大きなものがあると思っています」

衆議院議員 上川陽子氏 「異能vationプログラムを推進するときに副大臣をしていました。生み出す力をなんとか応援しようとしてきましたが、みなさんに育てていただいてるなと思います。『世界を変える30人』の一人に選ばれた方もいますが、そうした方がどんどん出てくるように、大人も刺激をされて、また新しいものが生み出されるように広がっていただければと思います」

衆議院議員 左藤章氏 「みなさんが新しいアイデアを出してチャレンジをし、いろいろなものに挑戦しようという異能vationプログラム。支援をするお金を出しますので、どんどんチャレンジをしていただければと思います。考えられないものを考えるのはやはり異能。それが日本が世界にはばたく大きな原動力になります。やわらかい頭で新しいものを作っていただいて、世界をリードしてください」

厚生労働副大臣 橋本岳氏 「日本は医療、健康、高齢社会どうするかという課題を抱えています。我々もどのようにしたら克服できるだろうと日々悩んでいます。みなさんの突出したアイデアを見て、そういうことが克服できるといいなというのを探しています。いままでと同じように当たり前にしてたらうまくいかなくなる。そのようなことを解決できるのがみなさんだと思いますので期待しております」

衆議院議員 柴山昌彦氏 「異能vationプログラムで変な人にスポットを当てるということで、立ち上げ当時の新藤総務大臣に働きかけをしました。我々が企画したこのプログラムが5年間で20倍という、非常に大きな、まれにみる企画に飛躍していることに、関係各位にお礼を申し上げます。これから特に若い世代を中心にして、本プログラムをどのように日本の活力につなげていくかが大きなテーマになってきます。間抜けでちょっと外れた人が将来大きな付加価値を生み出す。こうしたことを頭の固いお役所にも広げていけるように伝導師として応援していきます」

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