バッテリーの電圧が高いと容量も増えます
3.0Ahと6.0Ahというのは、モバイルバッテリー風にmAhでいうと3000mAhと6000mAhです。
モバイルバッテリーがスマホを何回フル充電にできるかは、モバイルバッテリーの容量をスマホのバッテリー容量で割ればわかります。ただ、モバイルバッテリーは内蔵しているリチウムイオン電池が3.7V前後なので、それをUSBの5Vに昇圧するときに損失が発生。実際に使える容量は6~7割程度だそうです。
最近のスマホはバッテリー容量が大きく、iPhone XRだと2942mAhもあるそうです。3000mAhのモバイルバッテリーが7割しか使えないとなると、1回フル充電にすることさえできません。しかしマキタのカタログを見ると、14.4V 3.0Ah(3000mAh)でiPhone XRを1.7回、18V 6.0Ah(6000mAh)なら5.6回充電できるとなっています。これはどういうことでしょう。
その秘密は電圧にあります。
バッテリー容量の単位のAhやmAhはどのぐらいの電流を何時間取り出せるかという電気の量を表わし、式にすると電流(AまたはmA)×時間(h)となります。たとえば6.0Ah(6000mAh)のバッテリーから取り出せるのは、6Aなら1時間、3Aなら2時間、1Aなら6時間。容量というよりは使用できる時間という感じですね。
もうひとつモバイルバッテリーではWh(ワットアワー)という単位も使われます。一部のモバイルバッテリーにはWh表記がありますし、バッテリーの航空機の機内持ち込み制限の単位として使われているので、見たことがある方も多いと思います。
Ahが電流と時間の掛け算だったのに対し、Whは電力(W)×時間(h)で電力の仕事量を表わします。わかりやすいのは消費電力で、たとえば消費電力が150Wのテレビを1時間使ったら150Wh、3時間なら450Whになります。バッテリーの場合は消費するのではなく供給する側なので、どのぐらいの供給電力があるのか=電力を溜め込むことができるかという電力容量を示すことになります。これが本来の容量ということですね。
じゃあなんでモバイルバッテリーの容量がWhじゃなくてmAhになっているのかというと、どのモバイルバッテリーも内蔵しているリチウムイオン電池の電圧が3.7V前後と共通だからです。
電力(W)は電圧(V)×電流(A)なので、Whを言い換えるとW×h=V×A×hとなります。つまりV×Ahですね。ということは電圧(V)が同じ3.7Vなら、どのぐらい使えるかという容量の違いはAhだけ比較すればいいということになります。
それに対してマキタのバッテリーのように電圧(V)が異なる時は、Whで比較する必要があります。たとえば3000mAh(3Ah)のモバイルバッテリーは3.7×3=11.1Whですが、14.4V 3.0Ahは14.4×3で43.2Wh。モバイルバッテリーに換算すると11676mAhで、同じ3Ahという表示でも容量は4倍近い差があるということになります。
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