●挑戦続けた歴史感じる
事業所でもうひとつ面白かったのは、歴代の掃除機展示です。手元で吸引力の強さを切り替えたり、ダストケースに使い捨ての紙パックを使ったり、今では当たり前の機能が画期的な新機能として取り入れられる65年の歴史を感じました。人工知能でパワーを制御するという「CV-RX1」(1991年)、ゴミがたまると「ダストケースがいっぱいになりました」と言ってダストケースが自動的にせりあがる「CV-RS1」(2007年)など、未来的なモデルも数多くありました。
いまメーカーの製品開発は消費者のニーズを重視するマーケットインの考えが主流ですが、歴代のモデルを見ていくと、技術力や独創性を重視したプロダクトアウトの考えを強く感じます。からくり工場もそうですが、時代にあわせて重ねてきた挑戦の歴史が、最新の掃除機まで連綿と続いている。そう思うと、「すごい」という言葉では足りない、こだわりの深さを感じました。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。2歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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