最新パーツ性能チェック 第270回
全コア5.2GHz設定のOCテストも敢行
【詳報】Core i9-9900KSの性能をRyzen 7 3800Xや3900Xと比較
2019年10月31日 14時45分更新
OCテストは全コア5.2GHz設定で時間切れ
最後に簡単ながらオーバークロック(以下、OC)にも挑戦してみた。Core i9-9900Kだとお手軽OCは全コア5.1~5.2GHz設定あたりで限界が来るが、今回の時間的・物理的な制約下では、9900KSでも52倍設定の全コア5.2GHzが限界だった。全コア5.3GHz設定でも起動はするが、少し負荷をかけるとBSOD。コア電圧を1.45V以上盛っても高負荷で落ちるなどの限界が見られた。細かく設定していけば、もう少し上を狙えそうな気もするが、そこは時間の都合上試せなかったことをお詫びする。
というわけで、定格のCore i9-9900KSと全コア5.2GHz動作のCore i9-9900KSの性能差をCINEBENCH R20で比較したのが下のグラフである。
全コア5.2GHzまでOCすればシングルスレッド性能が536ptsと、Ryzen 9 3900X(524pts)やRyzen 7 3800X(518pts)を上回ることができた。しかし、マルチスレッド性能は3%程度しか伸びず、全コア5GHz動作が可能な優良個体ではあるが、そこからさらに伸ばすのは、さらなるOCのノウハウが必要になるだろう。
まとめ:なりふり構わず力を絞り出してきたが、輝ける時間はあまりにも短い
以上で簡単ではあるがCore i9-9900KSのテストは終わりだ。まずIntel製のCPUが好きで、最速のものが欲しいと考えているなら「買い」だろう。特にゲームにおける性能は現役では間違いなく最強である。また、Core i9-9900KSは色々な意味で歴史に残る製品となるだろう。
だが、現在の市場価格を鑑みてコストパフォーマンスを求めるなら、Core i9-9900K(実売価格 5万8500円前後)やRyzen 7 3800X(実売価格 5万1700円前後)のほうが確かな選択肢と言える。全コア5GHz動作は魅力的ではあるが、超高負荷を長時間継続するシーンにおいて、Core i9-9900KSのパフォーマンスをフルに引き出すためには、冷却システムも含めて相当な準備が必要になるからだ。
我こそはCore i9-9900KSの真の使い手であると自負するなら、挑戦してみてはどうだろうか。筆者は素直にバランスと使い勝手の良いCore i9-9900Kをオススメするが……。
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