2歳児くんの保護者をしています盛田 諒ですこんにちは。子どもが生まれたとき2ヵ月間の育児休業を取得し、体験談を連載「男子育休を入る」として書いていたのは2年前の話。育休を取ってよかったと思うのは夫婦関係です。もし育休がなかったら育児をめぐって夫婦の溝が深まり、最悪離婚したかもしれないとさえ思います。
意見が分かれるところですが、その意味、女性がいわゆる専業主婦であっても、男性が育休を取る意味はあると思います。また共働き夫婦でも「夫に家事や育児ができるとは思えない」「やってもらってもかえって時間がかかる」という話をよく聞きますが、これから共働き家庭で夫が何もしないとなると、妻の負担は危険なものになりそうです。
経験上、夫婦で育休を取得する最大の意味は、子のおむつを替えたり、お風呂に入れたり、寝かしつけができるようになることよりも、働きながら子を育てることの大変さと幸せを理解して、夫婦の危機を避けられるようになることではないかと思います。
実際、育児疲れやら意見のすれちがいからケンカをすることもあるわけですが、もし育休経験がなかったら、「今日の寝かしつけは大変だった」と言われて「オレの仕事も大変だったよ」と返したりするようなトンチンカンなやりとりをして、より深刻な危機を迎えていたかもしれません。
●夫婦の危機を避けるための経験
「今のやりとりはどこが問題なの?」と思った方は幸いにもまだ「育児よりも仕事の方がラク」という実感をもったことがないのではと思います。子が生まれると世界のすべてが変わります。
子の生活時間にあわせるため睡眠が削られ、子に何かがあったらと緊張するあまり神経がすり減ります。女性は特にホルモンバランスの関係でメンタルがかなり荒れます。子が成長すれば成長したで「遊ぼう」「抱っこして」「お風呂入んないの」につきあい体力が削られます。子育てはいつまでも「今だけ」の大変さが待っていて、親は生活のすべてを振り回されます。
同時に、子は「今だけ」の幸せをあふれんばかりに与えてくれます。
ぎゅっと握られた指の感触。頬に涙をつけたままの寝顔。はじめて寝返りを打てたときの驚いたような喜んでいるような微妙な表情。何かを指さして「あー」と言っている小さな声。抱っこしたときのやわらかな重み、湿り気のある暖かさ。そうしたひとつひとつの育児の手ごたえは、夫婦を結びつける思い出になってくれると思います。
そうした苦労と喜びを夫婦でともに学んでいくのに適した制度が育児休業というわけです。
●育児は共働き夫婦の基本スキル
そもそも夫婦で育児をすることは時代の要請、育児は共働き夫婦の基本スキルです。
近傍の親類に頼める人はいいですが、社会の東京一極集中が進んでいく中で、生まれ育った地域を離れ、勤務先に近い都市部に暮らしている人もいるでしょう。人生100年がうたわれる今、親世代も働き手として駆り出され、頼みづらい人もいるでしょう。高齢出産が進む今、親はそろそろ介護を必要とする年齢だという人もいると思います。
親類に代わって子育てを助けてくれる人が地域にいてくれればいいのですが、そもそも毎日忙しすぎて、自治会への参加はおろかご近所づきあいもできないという人が多いのではないかと思います。かといってベビーシッターなどを常用するほどお金はなく、やっぱり夫婦でどうにかするしかないという人が多いのではないでしょうか。
今年6月には「男性育休義務化」を推進する自民議員連盟も立ちあがりました。義務化にはかなり疑問もありますが、これも時代の要請と思えば納得はいきます。
●「はじめての男性育休」学ぶ教室
しかし育休取得男性はまだ少数派、情報も個人発信がほとんど。興味はあってもよくわからないという人が多いと思います。自分自身も取得するとき「何がわからないのかわからない」状態でした。
そこで来週9月27日(金)男性育休について学ぶ会を開きます。男性育休取得を応援するサイト「育休男子.jp」管理人である高橋俊晃氏をゲストに招き、男性育休の実態を学びます。参加は無料、定員は30名。育休に興味のある親の皆さん、プレ親の皆さん、ぜひ会場でお会いしましょう。
イベントページ
https://peatix.com/event/1322614/
「はじめての男性育休セミナー」
■開催概要
●日時:2019年9月27日(金)
受付開始:18:00 開始:18:30 終了予定:20:00
●開催場所
角川アスキー総合研究所
〒102-0076 東京都千代田区五番町3-1 五番町グランドビル7F
・入場料:無料(アスキーキッズ会員登録が必要)
・募集人数:定員30名
・主催:ASCII(角川アスキー総合研究所)
■登壇者プロフィール
高橋俊晃 氏
一般社団法人Papa to Children理事
4歳、0歳の息子2人を育てる37歳フリーランス。OA機器メーカーの営業からワークスアプリケーションズに転職。コンサルタント、採用、経理部門を歴任し2018年に独立。前職時代に長男が生まれ9ヵ月の育休を取得。男性育休取得を応援するブログ「育休男子.jp」管理人。
盛田 諒(司会進行)
ASCII(角川アスキー総合研究所)
ウェブメディアASCII.jp「アスキーキッズ」「家電ASCII」担当。一児の父。育休体験をつづった連載「男子育休に入る」、男性視点の育児連載「ほぼほぼ育児」執筆。「週刊アスキー」「アスキークラウド」などの雑誌編集に携わり、現在はウェブ専業。