CINEBENCH R15 / CINEBENCH R20
まずは定番のCPUベンチマーク「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から見ていこう。
「Ryzen 5 3400G」がマルチスコアーで唯一の800cb超えを達成し、シングルスコアーでも160cbと他を突き放す結果に。「Ryzen 5 2400G」もマルチスコアーが高いものの、「Ryzen 5 3400G」とは8%ほどの差があり、シングルスコアーは「Ryzen 3 3200G」とそれほど変わらない。Ryzen 3の2モデルは、若干の違いはあれど、気にするほどの大きな差はないという印象だ。おおむね、それぞれのCPUの動作クロックをよく反映した結果と言える。
「CINEBENCH R20」でも、レンジが違うもののスコアーの傾向自体は大きく変わらない。「Ryzen 5 3400G」と「Ryzen 5 2400G」のマルチスコアーの差はおおむね6%、「Ryzen 3 3200G」と「Ryzen 3 2200G」の差は5%ほどで、いずれも微増といった範囲に落ち着いている。
3DMark
続いて、3D描画性能を計測する定番ベンチマーク「3DMark」の結果を見てみよう。ここでは「Time Spy」「Fire Strike」「Night Raid」「Sky Diver」、計4つのプリセットでテストを実行している。
「Time Spy」「Fire Strike」でのテストは、基本的にディスクリートの高性能GPUを想定していることもあって、スコアーはそれほど振るわない。第1世代Ryzen APUと第2世代Ryzen APUのスコアー差は、「Time Spy」テストでは8%前後、「Fire Strike」では3%前後となっている。
大きな差がついたのは、内蔵型GPUを想定したDirectX 12ベースのテスト「Night Raid」だ。「Ryzen 5 3400G」と「Ryzen 5 2400G」および「Ryzen 3 3200G」と「Ryzen 3 2200G」、どちらも10%前後スコアーが開いており、無視できない差と言える。
ただし実際のPCゲームについて考えた場合、これらのAPUで「軽負荷なDirectX 12対応タイトル」をプレイする機会がどれほどあるかは疑問だ。多くの場合、むしろ「Sky Diver」のようにややレガシーなつくりのタイトルをプレイする機会がほとんどで、その場合は今回の結果のように、より緩やかなパフォーマンス差に収まるだろう。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
ここからは、実ゲーム系のベンチマークで第2世代Ryzen APUの実力を見ていこう。「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、解像度フルHD(1920×1080ドット)、フルスクリーンの設定で、「最高品質」および「標準品質:デスクトップ」の2種類のテストを実施している。
このベンチマークでは、APUの世代ごとのパフォーマンス差は最大でも2%程度に収まっており、ほとんど違いが見られない。「NVIDIA GameWorks」を活用するタイトルということもあって、AMD系GPUへの最適化が十分ではないこともひとつの要因だろう。ともあれ、いずれのモデルも3500以上の「快適」評価以上、Ryzen 5 3400Gはより余裕のある5000以上の「とても快適」評価になっており、どれを使用しても標準品質なら問題なくプレイが可能というあたりは、内蔵グラフィックスの性能の高さがうかがえる。
Far Cry New Dawn
より重めのタイトルである「Far Cry New Dawn」でも傾向を見てみよう。画質はもっとも動作が軽くなるように設定し、解像度は1920×1080ドット、フルスクリーン設定で、ベンチマークモードを利用して平均fpsと最小fpsを計測している。
そもそも重量級のタイトルということもあり、ここでは世代ごとの平均・最小fpsがわずかな違いに留まっている上に、Ryzen 5とRyzen 3の差もほとんど見られない。もっとも結果が良い「Ryzen 5 3400G」でも平均fpsが30を切っていることから、遊ぶのが不可能とは言えないものの、ややストレスを伴うプレイになるだろう。