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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第59回

若干過小評価されて伝わっている感がある:

アップルiPhone 11注目点は通常版にすべて入っている

2019年09月13日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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1. バッテリーキング

 1つ目はバッテリー持続時間。

 Proシリーズの4~5時間という向上は目を見張りますが、その分重量が11~14g増し、かなりずしりと重くなりました。これに比べるとiPhone 11は非常に軽く感じるバランスを実現しています。

 これまでiPhone XRはほかのデバイスに比べてもバッテリー持続時間が大幅に長いデバイスでしたが、こちらもさらに1時間長く使えるようになります。かなり多くの人が、モバイルバッテリーを使わずに1日過ごせるようになるのではないか、と予想しています。

 ただ残念だったのはiPhone 11には18W USB-Cチャージャーが付属しなかったこと。もちろんこれを使った急速充電には対応しますがPro仕様の特典に含まれてしまいました。サードパーティーも含めて、急速充電環境は整えた方が良いでしょう。

2. 超広角カメラ

 個人的には明るい広角単焦点レンズをカメラにくっつけて散歩するのが好きで、そうした経験からすると、iPhone 11シリーズに追加された35mm換算で13mm F2.4という超広角カメラは非常に楽しみです。

 レンズ交換式カメラ向けに買おうとすると、非常にお高くなりますし、大きく重たくもなります。またこれぐらい広角だと魚眼になってしまうのですが、iPhone 11では通常のパンフォーカスのレンズとして搭載されました。

 アップルはただレンズを切り替えられるようにしただけでなく、周辺視野を画面のプレビューに表示させてフレームで切り取りやすくしたり、撮影した後からフレーム外の被写体を含められるようデータを保持したり、またiPhone 11で人以外のポートレート撮影に対応した点も新しいポイントです。

 スタンダードモデルに2つのカメラがついたこと、また超広角というスマホのカメラではニッチな方向に進んだことは、iPhone 11がユニークな存在であることを際立たせている、といえるでしょう。

3. 硬い

 Apple Park、Steve Jobs Theaterで実施されたiPhone 11、iPhone 11 Proのデモで、悲鳴をあげる瞬間がありました。

 話を聞いていると、目の前で、1セントコインを取り出し、発表したばかりのiPhoneの裏面を思い切りガリガリと傷つけはじめたからです。

 そこにいあわせた人全員が目を覆う光景の後、そのiPhoneを渡されると、同色の1セントコインの跡が痛々しくも残っています。しかしその傷を指でさわると、ふわっと消えました。そこでふたたび悲鳴のような驚きの声をあげることになりました。

 実は、iPhoneについていた跡はガラス面の傷ではなく、コインが削れて出た金属粉だったのです。つまり、iPhoneのガラスは1セントコインよりも硬い、ということが言えそうです。

 これまでiPhoneはケースを装着してていねいに扱わなければならない存在でした。それでも不意の落下で画面がバリバリに割れて、高い修理代をかけることになる、という繰り返しだったのです。

 今回の悲鳴のデモはスクラッチテストで、鞄の中に鍵束や色々なものと一緒にiPhoneを入れて持ち歩く際にも傷がつきにくい、というデモでした。落下の時にどうなるのかはまた別の実験になりますが、こちらも耐久性向上に期待が持てそうです。

 もちろん、試す際は自己責任で……。

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