フラットで分離のいい仕上がり
カタログスペックを見ていくと、周波数特性は10Hz~28000Hz、インピーダンス32Ω、50mmネオジムマグネットドライバーとなっている。
多くのゲーミングセットは高音が強めだ。これはFPSであれば銃撃音や足音を聴き取りやすくするため。経験のある読者も多いと思うが、耳が疲れやすい。
オンキヨーの回答としてはフラットなバランスにし、50mmネオジムマグネットドライバーで迫力を得られるようにしているように感じる。
実際に音を聴いてみると、モニターヘッドフォンに近いフラットさだ。また分離がよく、足音も聴き逃しにくいほか、ゲーム内でキャラクターやボイスチャットの相手の音声の聞きやすさも良好である。
このあたりは、メタルやハードロック、もしくは多人数のアイドルソングあたりを聴いてみると、どこで何が鳴っているのか、誰が歌っているのかがわかりやすい。
イヤーパッドには速乾性ファブリックを採用していると記した。そうなると音抜けがしやすくなるのだが、イヤーパッドの内側に特殊コーティングを施すことで、密閉性を得ている。妥協なく、コーティング剤を開発する姿勢からもオンキヨーの本気をうかがえるハズだ。
脱着可能なマイクはどうだろう。これもボイスチャットに適するものだ。サウンド面はいいが、マイクはオマケと思っていたので、いい意味で裏切られた。
スペックは単一指向性ECM、周波数特性100Hz~10kHz、S/N比55dB、感度-44±3dB。クリアな音質であるため、ボイスチャット上でのコミュニケーションもやりやすい。よくありがちな音量が微妙に上下して、聞き返される回数は格段に減るだろう。
またやや抑え気味の声の取得傾向もよく、深夜のプレイにも適している。
ゲーミングだけでなく、作業用にも大変よい
クラウドファンディングが始まる前に装着する機会があり、その点で「これ作業用にいいわ」だけで購入を決めたのがSHIDO:001だったりする。そのときに出音の確認はできなかったが、前述のとおり、耳が疲れにくく、購入は果てしなく正解だった。
本稿に限らず、原稿作業にしろ写真の処理作業にしろ、長時間におよびがちで、その間はだいたいヘッドセットを装着している。ゲームのプレイと大差ない時間であり、そこから得られたフィールは、装着感や耳疲れが気になってしまう読者に刺さるものだろう。
また音声で原稿生成をしたり、打ち合わせをしたりといったシーンでもSHIDO:001は良好だ。ゲームだけでなく、作業用や絵チャ(お絵描きチャット)用など、ヘッドセットを長時間装着する人にオススメだ。
東京ゲームショウ2019のSHIDOブースでは視聴も可能と思われるので、実際に装着してSHIDO:001の良さを強く体感してほしい。