東日本大震災で変わった防災の考え方
生徒や児童は、繰り返し防災訓練をし、大地震が来たときには津波を警戒、すぐに高台に避難することを覚えていた。
子供たちは自らの判断で高台を目指して登っていき、学校にいた子供は全員が助かった。これは、「釜石の奇跡」とも言われている。
野田市長は「従来は、国や自治体の指示や情報を待ってから避難をするというのが基本だったが、東日本大震災をきっかけに、自分で判断して、自分で避難をするという考え方が基本となった。釜石東中学校と鵜住居小学校の跡地に建設された釜石鵜住居復興スタジアムは、釜石市の防災の考え方を広く発信しながら、震災の記憶と防災の知恵を伝えることになる」と語る。
一方で「2011年3月11日は寒い日であったが、普段にないほどたくさんの星が輝いていたことを覚えている」としながら、「あれからすでに8年4ヵ月を経過したが、いまでも約150世帯が仮設住宅で暮らし、厳しい生活をしている。復興はまだ道半ばだといわざるを得ない」と厳しい表情で語りながら、
「道路が整備され、宅地が造成され、着実にハードウェアが整ってきた。2018年に完成した釜石鵜住居復興スタジアムは、復興のシンボルになる」とする。
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