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なぜ、一般投稿の「踊ってみた」「歌ってみた」が容認されるのか?

YouTube「Content ID」 非権利者の動画投稿を裏で支える技術とは

2019年07月24日 17時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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メロディーから「歌ってみた」も判別

 では、Content IDは、具体的にどう働いているのだろうか?

 Content IDを作るには、「権利者がはっきりしているコンテンツ」が必要になる。そのため、Content IDを使えるのは、基本的には、音楽出版社などのGoogleと契約した法人、ということになる。だが、個人であっても、権利や配信の管理を行うアグリゲータ事業者を介することで利用できる。

 楽曲はGoogleのシステムで分析され、前述の「フィンガープリント」が作られる。そして、特に楽曲の場合、現在は2つの方向で使われている。

 ひとつは、楽曲そのもの、すなわち「原盤との差」を判別するためのContent ID。そしてもうひとつは「メロディー」を判別するためのフィンガープリントだ。いわゆる「歌ってみた」「演奏してみた」映像の権利処理を適切に行うには、メロディーを判別するフィンガープリントが必要であり、原盤の認識と両軸で必要、という判断からだ。

 この特徴が明確に現れている場所がある。それは、YouTubeの「音楽チャート」だ。

YouTubeの音楽トップチャート。このランキングには、アーティスト楽曲の再生数だけでなく、UGCコンテンツの再生数も加味されている

 「弊社から他に提供している情報も同じなのですが、このチャートには、原盤を使った楽曲の再生数だけでなく、『歌ってみた』などのUGCの再生数も含まれています」と鬼頭氏は説明する。現在の音楽シーンにおいて、楽曲の盛り上がりを示すには「元の曲」の再生数だけでは不足であり、UGCのカウントが欠かせない。そのためにはContent IDでの楽曲判別が必要なのである。

 また、Content IDは「1つの動画で1つの楽曲を抽出」するものではない。例えばライブ動画などに複数の楽曲が含まれる場合、それぞれがちゃんと認識される。アレンジ曲や「歌ってみた」曲などに見られる、テンポや音階を変えた曲であっても認識される。テレビの画面を撮った動画のように、ノイズが多いものでも、もちろん認識される。

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