採用ヒートシンクにより冷却性に差が出た
検証の最後に、各製品の動作時の温度と転送速度の推移を確認してみる。先に述べたとおり、ヒートシンクはCFD販売の「CSSD-M2B1TPG3VNF」のみマザーボード側のものを使用、それ以外の2製品は製品付属のものを使用した。
検証は「CrystalDiskMark 6.0.2」でデータサイズを32GiBに固定し、各テスト回数9回のベンチマークを3セット連続で実行。その際の温度と転送速度を「HWiNFO 64」でモニタリングしている。
それぞれの転送速度に大きな差は見られないものの、実行中の温度ではやや差がつく結果となった。3製品とも最大温度は70度以下に押さえられており基本的に問題はないと言えるが、アルミ製の独自ヒートシンクを採用したCorsairとマザー側のヒートシンクを利用したCFD販売は60度以下で温度が安定しているのに対し、銅製の独自ヒートシンクを採用したGIGABYTEは最大温度が67度まで上昇している。
結果を見る限り、ヒートシンクに溜まった熱を上手く逃がせていないような印象だ。ケース内のエアフローや装着するスロット次第では違う結果が出る可能性もあるが、購入後にあまり冷えていないと感じるようであれば、マザー側のヒートシンクを利用することを考えてもいいかもしれない。
参考までに、もともとヒートシンクが付属しないCFD販売の「CSSD-M2B1TPG3VNF」をヒートシンクなしの状態で運用し、温度の推移を計測してみた。
ヒートシンク装着時に比べて低負荷時に冷えるのは速いが、やはり高負荷時の温度上昇は凄まじい。もっとも負荷が高まるシーケンシャルリードテスト実行時の温度上昇幅は特に大きく、最大温度は83度にもなり、ヒートシンク装着の効果がよくわかる。
温度が高まった2セット目以降では若干だがランダムリードの転送速度にも影響が出てしまっており、安定して最大性能を発揮したいなら冷却には配慮すべきだ。
評判に違わぬ“爆速”
ただし今後の最適化にも期待
これまでM.2 NVMe SSDの転送速度を超えるためには、拡張カードタイプの製品を利用したり、HYPER M.2カードと複数枚のM.2 SSDを用意したりといった手間があった。
対してPCIe 4.0対応SSDは、CPUとマザーボードの縛りこそあるものの、スロットに1枚差すだけで軽くリード毎秒5000MBを出せる取り回しの良さが最大の魅力だろう。
部分的には粗削りな印象もあるが、少なくとも速度面でPCIe 3.0を超えるメリットを得られるのは間違いない。購入を焦る必要こそないとはいえ、最新マシンのストレージにもこだわるのであれば、検討の価値は十分にあると言えそうだ。