7月の光
2歳児くんの保護者をしています盛田 諒ですこんにちは。参院選投票日が近づき、子育て支援関連の公約をカタログのように見比べています。日本で働くすべての親が安心して子育てできる社会ができますようにと七夕の短冊のようなことを考えているのですが、なかなか理想の政党を見つけられずにいます。どこなんでしょうね。
他愛ない話で恐縮なのですが、先日子どもが「あっ!」と戸棚を指さしていたことがありました。「何かあった?」と聞くと「光だよ!」というのですね。見るとたしかに戸棚にきれいな朝の光がさしていたので、「本当だ!!!」とこたえ、やたら感動してiPhoneで写真も撮ってしまいました。
別の日、子どもが絵本を読みながらページを指さし「文字あったよ!」と言っていたこともありました。まだなんと書いてあるかはわかっていないのですが、世界に文字というものがあることを発見する姿に衝撃を受けました。発見した文字を指さして「新幹線って書いてある」など適当なことを言っているのも面白かったです。
子どもは保育園に入ってから爆発的に使える言葉が増え、家でも10秒と黙ることなくつねにしゃべりつづけています。これだけしゃべれるようになるとあたかも同じ世界が見えているように感じてしまうのですが、こうして根源的なものを発見している姿を見ると、自分たちとはまったく違う世界が見えているのだと実感させられます。
親は子どもより経験が多いため正しいものの見方ができていると考え、よかれと思って子どもの見方や行動を訂正する部分があると思います。けれども経験が多いぶん、親は目に入っていても意識していないものが確実に増えているものだと思います。親が何気なく言ったりやったことで子どもに本来見えていた世界を台無しにして傷つけることがあるかもしれません。
自分自身「こっちが合理的だよ」とか「そんなことする必要ないのに」と言いがちな性格なので、可能性を考えるとちょっと恐ろしくなりました。
子どもが2歳を過ぎてからだんだんと面白がってふざけたり、親が言うのと反対のことをすることが増えてきて、「だめだよ、こうしようね」と行動を止めたり変えたりすることも増えてきたのですが、自分に見えている世界がすべてではない、相手には違う世界が見えているということは頭に置いておきたいと思いました。これは大人相手でも同じことかもしれないです。
同時に、子どもが光や文字などを「発見」する姿をもっと見たいと思い、七夕には「たくさんの発見がありますように」という短冊を書くことになりました。周りからすると意味不明な願いだったかもしれないですが、叶ってくれたら嬉しいです。以上、ただの日記でした。盛田 諒でした。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。2歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
人気の記事:
「谷川俊太郎さん オタクな素顔」「爆売れ高級トースターで“アップルの呪縛”解けた」「常識破りの成功 映画館に革命を」「小さな胸、折れない心 feastハヤカワ五味」
この連載の記事
-
第68回
アスキーキッズ
ラン活ラン活ランランラン -
第67回
アスキーキッズ
男性育休は素晴らしいですが、問題はその後です -
第66回
アスキーキッズ
こんなときだからこそ平凡な育児日記を書いておきたい -
第65回
アスキーキッズ
「いい夫」って言葉、圧がすごくないですか -
第64回
アスキーキッズ
元気に生きていけたら、まぁいいか。emiさんの子育て -
第63回
アスキーキッズ
0歳児の魂百まで -
第62回
アスキーキッズ
仕事と育児の両立でグチャグチャになったときこそ「自分にとって大切なこと」にしがみつくことが救いになる -
第61回
アスキーキッズ
「大丈夫だよ」と伝えたい -
第60回
アスキーキッズ
チキンソテーだよ子育ては -
第59回
アスキーキッズ
2人目育児、1人目が救いになった -
第58回
アスキーキッズ
実録! コロナ出産 緊迫の1ヵ月 そのとき夫は - この連載の一覧へ