SE出身の社長は20年ぶり
もうひとつ注目しておきたいのは、山口社長がエンジニア出身であるという点だ。SE出身の日本人社長という意味では、北城恪太郎氏以来、20年ぶりとなる。
山口社長は、1987年3月に大阪工業大学工学部卒業後、同年4月に日本IBMに入社。技術統括本部ソフトウェア技術本部 第三技術所に、金融機関担当エンジニアとして配属された。
「20代は、MVSやDB2など、OSとミドルウェアの問題を解析したり、新たな機能を開発したりといった仕事に就いた。システムの中身ばかり見ていた」という。
現在、セールスフォース・ドットコムの会長兼社長を務める小出伸一氏は、日本IBM出身で、一時は、山口氏の上司だったこともある。
「いまから30年前には、私がメインフレームの提案書を書いている横で、山口さんはダンプリストを解析していた」と、小出会長兼社長は当時の状況を振り返る。
山口社長は「3+1」と呼ぶ方針を打ち出しており、「デジタル変革の推進」「先進テクノロジーによる新規ビジネスの共創」「IT、AI人財の育成」、そして「信頼性と透明性の確保」をあげる。
ここにもエンジニア出身らしい考え方が映し出されている。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ