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Xperia温故知新! 波瀾万丈な歴史を紐解く 第31回

世界初の4K HDR対応スマホ「Xperia XZ Premium」のやりすぎ感が最高!

2019年06月10日 10時00分更新

文● 君国泰将 編集● ASCII編集部

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 日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

4K HDRという唯一無二の存在
「Xperia XZ Premium」

 2017年6月、ソニーのフラッグシップモデルといえる5.5型4Kディスプレーを備えた「Xperia XZ Premium SO-04J」がドコモから発売になりました。今回はこのXperia XZ Premiumを紹介します。

 デザインテイストは”Unified Design”といコンセプトをもつ「Xperia XZ」を踏襲し、背面にかけて滑らかにカーブしたループ形状と上下は鋭角的なボディーライン。

 ディスプレーサイズは5.5型(3840×2160ドット)、アスペクト比16:9の大画面に4Kの超高解像度ディスプレーを持つモデルとしては、2015年末に発売された「Xperia Z5 Premium」以来です。ディスプレーサイズは大型化ながらも左右のベゼルが狭く、「Xperia XZ」と比較しても5mmの差にとどまっていることもあり、大人の手でグリップするには充分。

 スペックはCPUに当時のハイエンド・Snapdragon 835(MSM8998)、メモリーもこのモデルでようやく4GBへ。内蔵ストレージも64GBと大容量になり、それまでeMMCだったものからUFSへと変更となって、高速な読み書きが可能になりました。バッテリー容量は3230mAhで、OSはAndroid 7.1.1を採用。

 本体サイズは、長さ約77×156×7.9mm、重さは約191g。カラーバリエーションとしては、ディープシーブラック、ルミナスクロムの2色が先行して発売され、のちにロッソが追加されました。

カメラ機能はスーパースロー撮影も可能に!
エンタメ機能は4K HDR対応動画を楽しめた

 カメラは、約1900万画素と画素数を抑えたメモリー積層型CMOSイメージセンサー Exmor RS for mobileとなる「Motion Eyeカメラシステム」を搭載。被写体が速く動いている時にシャッターをきると、自動的にメモリー内に最大4フレーム分の画像をバッファして、シャッターが押される直前の画像も記録してくれる「Predictive Capture(先読み撮影)」や、最大960fpsのスーパースローモーション撮影が可能です。

 4K動画撮影のほか、コントラストAFと像面位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドAF」や、被写体の動きを予測して写体を捉えてブレのない撮影が可能な「先読みオートフォーカス機能」、5軸の電子手ブレ補正のきく「インテリジェントアクティブモード」も健在でした。

 エンタメ機能も強化され、4K(解像度3840×2160ドット)の5.5型ディスプレーは、HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応。当時始まったdTVやAmazon プライム・ビデオでの4K HDRコンテンツ配信を、よりキメの細かな画質と広いダイナミックレンジにより、奥行き感や立体感のある映像を楽しめる端末となっていました。

 また、動画の画質に対して新たに、動画再生時に質感をアップする[X-Reality for mobile]のオンオフを切り替える「動画再生時の高画質処理」の設定や、オリジナルの色彩に拘る人向けにsRGBの色域を利用する「プロフェッショナルモード」、トリルミナス ディスプレイ for mobileの鮮やかな色域を利用する「スタンダードモード」、より強調された色彩となる「ダイナミックモード」から選べる「色域とコントラスト」といった画質に対するこだわりの設定が追加されたのです。

ハイレゾ音源は引き続き対応

 オーディオ面では、ハイレゾ音源に対応したヘッドホンやスピーカーを用意して、手軽にCDの音質を上回るハイレゾ音源(192kHz/24bitまで対応)を引き続き楽しめました。圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」や、手持ちのヘッドホンを接続端子に挿すだけで、自動的に音響特性を最適化してくれる「自動最適化」も搭載。

 周囲の騒音を感知して騒音を最大約98%低減する「デジタルノイズキャンセリング機能」も備え、専用のヘッドホンを用意することでハイレゾ音源と同時に利用できます。 また、従来のSBCコーデックと比べて最大約3倍のデータ転送ができる「LDAC」にも対応しワイヤレスでも高音質で音楽が楽しめるモデルでした。

 そのほかの特徴として、ボディー全体が鏡面仕上げとなっており、周囲を反射する光沢感がありました。サイドに指紋認証つきの電源ボタンや、ボリュームキー、カメラキーを配置し、カラーはマットブラックとなっているのも従来とは異なるアクセントに。

 底面にあるUSB Type-Cの接続端子は、USB 3.0に対応して5Gbpsに対応するケーブルを使うことでPCから高速転送できるほか、Quick Charge 3.0による高速充電もできるようになっています。Qunovo社が開発したバッテリー制御技術に加えて「いたわり充電」機能を備えて、使っている人の習慣を学習して充電速度を調整することでバッテリーの寿命をより延ばすといった機能もそなわっています。

 さらに、IPX5/IPX8相当の防水性能とIP6X相当の防塵性能を備えて水回りでも安心して使えます。

 明確なスペックの向上とハードウェアの進化とあわせて、4K HDRディスプレーを堪能できるという当時としては唯一無二の存在であり、高性能を存分に味わえるスマホとして非常に評価の高いモデルとなりました。

 リリースから半年後に発売された全身が赤く包まれたロッソカラーも人気となり、長らく愛されたXperiaフラッグシップモデルになったのです。

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