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Kingston製SSD「KC2000」レビュー、96層3D TLC NANDでリード3200MB/s超え

2019年06月28日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ

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最新の96層3D TLC NANDフラッシュメモリーを採用したKC2000。今回は1TBモデルである「SKC2000M8/1000G」をテストする。予想実売価格は2万1200円前後。

 ここ数年でSSDの大容量化や高速化、そして低コスト化が激しく進んでいる。その原動力のひとつはNANDフラッシュメモリーの進化だ。MLCからTLCへ、そして3D化して大容量化、さらにQLCへ……という段階を踏んでいる。大容量化とトレードオフになりがちな性能や耐久性をどうケアするのか。それがSSDメーカーの腕の見せどころとなっている。

 Kingstonが先日発表したNVMe M.2 SSD「KC2000」シリーズは、96層3D TLC NANDフラッシュメモリー「BiCS4」を採用した注目製品である。QLCは大容量で安いが耐久性や速度が犠牲になりやすいため、パフォーマンス重視の製品はTLCの採用例が多い。そして、TLCで大容量化するにはメモリー素子を縦に何層重ねる「3D化」かがポイントになる。KC2000シリーズの採用する96層3D TLCは今最も注目を集めている方式なのだ。

 KC2000は250GB、500GB、1TB、2TBの4モデルをラインアップするが、昨今のコンテンツの大容量化を考えれば、最低でも500GBモデル、願わくば1TBモデルを狙っていきたいところだ。今回はKC2000の1TBモデルをテストする機会に恵まれたので、既存のSSDに比べてどこに強みがあるのかを探っていきたい。

シーケンシャルリード最大3200MB/sの高速NVMe M.2 SSD

 KC2000のスペックは下表の通りだ。コントローラーはSilicon Motion製の「SMI 2262EN」を採用し、PCI Express 3.0×4で接続する。シーケンシャルリードは最大3200MB/sと、NVMe M.2 SSDとしては最速というわけではないが、動画編集のように大容量かつ多量なファイルを高速でインポートするようなユーザーには魅力的なパフォーマンスと言える。

 大容量化しやすいQLC NANDフラッシュメモリーをベースにしたSSDだと、シーケンシャルリードはせいぜい2000MB/s、耐久性を示す指標のひとつであるTBWも200TBW(1TBモデル)と、KC2000の1TBモデルの約3分の1に落ちる。ゆえに、96層3D TLC NANDを採用したKC2000は容量、性能、耐久性のバランスが非常に良いところを突いていると言えるだろう。

KC2000シリーズのスペック
型番 SKC2000M8/250G SKC2000M8/500G SKC2000M8/1000G SKC2000M8/2000G
容量 250GB 500GB 1TB 2TB
フォームファクター M.2 2280
NAND 96層3D TLC
コントローラー Silicon Motion製SMI 2262EN
インターフェース NVMe PCI Express 3.0×4
シーケンシャルリード 3000MB/s 3000MB/s 3200MB/s 3200MB/s
シーケンシャルライト 1100MB/s 2000MB/s 2200MB/s 2200MB/s
4KBランダムリード 350000 IOPS 350000 IOPS 350000 IOPS 250000 IOPS
4KBランダムライト 200000 IOPS 250000 IOPS 275000 IOPS 250000 IOPS
MTBF 200万時間
総書込容量 150TBW 300TBW 600TBW 1200TBW
暗号化方式 AES 256ビット暗号化
保証期間 5年間
予想実売価格 6600円前後 1万1900円前後 2万1200円前後 4万3000円前後
1TBモデルの表面シールを剥がしたところ。右端にある銀色のチップがSilicon Motion製コントローラー「SMI 2262EN」、4つある黒いチップがNANDフラッシュメモリーだ。
基板の裏にもNANDフラッシュメモリーが実装されている。表側と合わせて128GBのチップが8つ、合計で1024GBという計算だ。小さいチップ2つはDDR3チップのようだが、おそらく512MB×2だと思うが諸元は不明。
「CrystalDiskInfo」で今回テストした1TBモデルの情報をチェックしてみた。

 KC2000にはファームウェアの更新やドライブの状態を確認できる純正ツール「Kingston SSD Manager」も用意されている。KC2000はドライブを丸ごと暗号化するWindows 10 ProのBitLockerを使えて、個人で使ってもビジネスレベルの高いセキュリティー機能が使える一方で、エンタープライズユーザー向けの製品でもあるため、「TCG OPAL 2.0」に準拠した自己暗号化ドライブでもある。

 TCG OPAL 2.0が何であるかの解説は割愛するが、この機能を使うとブート時にパスワード認証が⾏なわれ、通過した時のみドライブのデータにアクセスできるようになる。暗号鍵はKC2000上の隠し領域に保存されるので安全だ。

 暗号化及び復号化処理はKC2000上に搭載されたAES256処理専用のハードウェアが行なうため、CPUやSSDコントローラーに負荷をかけず、読み書き性能もほとんど変わらない。さらにユーザーごとに見られる領域が設定できる、というメリットがある。ただし、このTCG OPAL 2.0を使うにはKingston SSD Managerではなく、専用のツールで操作する必要があり、これについての公式ドキュメントはない。すなわち、かなり“わかっている人向け”の機能であることは否定できない。

Kingston SSD Managerの一番の目的はファームウェアの更新だろう。温度やSSDの健康状態(余剰ブロックの数など)も把握できるが、このあたりはCrystalDiskInfoなどで代用できる。
S.M.A.R.T.情報の確認も可能。UIの文字がどころどころ見切れているので、ちょっと見づらいのが難点。
SecurityタブではTCG OPAL 2.0に関連するボタンもあるが、グレーアウトしていて押せない状態だった。

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