電話営業に革新 AI解析で改善につなげるIP電話「MiiTel」
B Dash Camp 2019 Spring in Sapporo ピッチアリーナファイナルラウンド
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B Dash Venturesによる、ネットビジネスのキーパーソンやベンチャー、スタートアップ企業、投資家、大手企業のイノベーターらが参加する、招待制カンファレンス「B Dash Camp 2019 Spring in Sapporo」が、2019年5月20日~23日に札幌市内で開催。インターネット、ベンチャービジネスの最新潮流がわかる各カンファレンスセッションが3日間にわたり開催された。10年後を見据え、ブロックチェーンのセッションが多く、仮想通貨だけではないサービスや実体験が見えてきそうな兆しがあった。
ベンチャー、スタートアップ企業がイベントに参加した投資家、大手企業らの前で自社サービスをプレゼンする「Pitch Arena」、ファーストラウンドには書類審査を通過した12社が登壇、そのなかから選ばれた7社が“ファイナルラウンド”に進出した。
今回、WINNERに選ばれたのは音声解析できるIP電話サービス「MiiTel」をプレゼンしたRevCommだ。そのほか受賞企業は以下の通り、ファイナルに進出した7社のサービスを紹介する。
●優勝 WINNER
RevComm「MiiTel」
●準優勝 SPECIAL AWARD
inaho「inaho」
●LEXUS CRAFTED賞
RevComm「MiiTel」
●パラマウントベッド Active Sleep賞
ネクストイノベーション「スマルナ」
●パーソル賞
inaho「inaho」
●ラクスル賞
モノグサ「Monoxer」
答えから問題を自動生成する記憶アプリ
モノグサが開発するアプリ「Monoxer」は、答えを入力すると問題が自動生成され、解いて覚える記憶アプリだ。「1185年に源頼朝は鎌倉幕府をひらいた」と登録すると、「○○年に源頼朝は鎌倉幕府をひらいた」など複数の穴あき問題を自動生成、解くことで記憶が定着していく。
文章に限らず、画像や挿絵、漢字などにも対応。記憶度、忘却度を可視化、塾や予備校などに仕組みを提供するツールをSaaSで提供する。そのほか、今までは学習しにくかった領域、マニュアルはあるがその記憶を助けるツールとして一般企業にも導入していくとしている。
福岡市やローソンでも展開する傘シェアサービス
Nature Innovation Groupの開発する「アイカサ」は、傘のシェアリングエコノミーサービスだ。各地に設置される傘はデジタル管理されており、LINEで利用開始でき、支払いもLINE Payで行なえる。傘にはQRコードが付与され、読み取って開錠できるというハードウェアの仕組みも施されている。
すでに福岡市、東京急行電鉄、ローソンとも連携して、サービスを展開することが決まっている。また雨の日のQOLを上げるため、クーポンなど各サービスとの連携もできる。予選の審査委員からは傘のシェアリングサービスのアイデアは今までも多く聞いてきたが、導入までやり切っているサービスはないと評価していた。
人工知能とロボットアームで自動野菜収穫
北海道での開催というわけではないが、今回は12社中3社が農業系のソリューションで登壇。ファイナルに勝ち残ったのがinahoだ。カメラとセンサーを利用し、自動走行でアームが刈り取りをする自動農業ロボットを開発する。
人が目視で判別する野菜の収穫を、画像処理と機械学習により収穫のタイミングを最適化。自動走行のため夜間の利用もでき、1台で汎用的に使え、アスパラやきゅうり、なす、トマトでも共用できる。ソフトとハードともに自社で開発、ロボット自身は販売せずにリースで収穫量に応じた従量課金モデルで展開。その理由はハード、ソフトともに性能はどんどん上がっていくためとしている。
製造業の見積もり作業を最適化するシステム
A1Aが開発、運営する「RFQクラウド」は、製造業・購買部向けの見積もり査定システムだ。工場向け製品は、同じ製品でも担当や工場が違うだけで購買価格が変わる。そこに疑問をもち、適切な見積もり査定を行なえば、購買のコストを低下させられるとする。
購買価格が異なってしまう理由として大量の部品数があり、見積もりフォーマットも各社でバラバラなところを上げる。バイヤーと各社サプライヤーをつなげ合い見積もりを一括で見やすくし、大企業の中でデータの一元管理することで見積もり査定を簡略化させる。各社の発注システムとつなぎこみをする。大量発注のある大企業こそ効果が大きく、比較的高単価のSaaSで提供する。
婦人科領域特化のオンライン診察サービス
ネクストイノベーションの「スマルナ」は、オンラインで診察し、医師と薬剤師連携のもと低用量ピルを配送するサービス。病院に行けず、どこに相談していいかわからないデリケートな問題に対し、医師と薬剤師がオンラインで対応する。
女子高生がピルに対する偏見を訴えるなど社会問題化しているなか、同サービスは2018年の開始から10ヵ月で課金ユーザーが1.5万人を超える急成長。利用者の7割がピルの未経験ユーザーだったとしている。
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