このページの本文へ

業界人の《ことば》から 第343回

ANAが「攻めのIT経営」として高く評価された理由

2019年05月17日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

社員の満足度は顧客の満足度につながる

 ANAは現在、260機以上の航空機を所有しており、一日1000便、15万人を運んでいるという。

 「ANAは2022年度を最終年度とする中期経営計画に取り組んでいるが、その最初のページにはひとつのイラストを書いている。それは、ANAの社員の一人ひとりが、自分の成長を感じ、仲間から認められ、お客様から感謝される会社になるために、その絵になかに、自分はなにを付け加えることができ、なにを差し引くことができるのかということを考えてほしいという意味を込めた。

 中期経営計画はそうした社員の活動に向けて、ヒントや指針を与えているものである。そうした気持ちで、中期経営計画を策定している」とする。

 中期経営計画では、デジタルトランスフォーメーションを重要な取り組みのひとつに位置づけ、航空事業と新規事業の両面から「ANA版Society5.0」に取り組み、それを支えるのは人だとし、「社員の満足度(ES= Employee Satisfaction)は、顧客の満足度(CS=Customer Satisfaction)につながる」との姿勢を強調する。

 そして「機内や空港カウンター、コールセンターといったお客様との接点では、ヒントになる助言やお叱りをもらっている。お客様の声を聞く専門部署では、一日に100件の声をもらう。これらを分析することで、そこから次のイノベーションの種、改善の種、そしてアイデアの種が生まれる。これが空港や機内などの現場における、簡単、便利を実現するヒントになってきた」とし、

 「今後はワンID化を図る。たとえば、顔認証だけで保安検査場やゲートを通過できるようにし、さらに利便性を高めたい」とする。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ