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業界人の《ことば》から 第343回

ANAが「攻めのIT経営」として高く評価された理由

2019年05月17日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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今回のことば

「新たな元号に込められた意味のように、美しい調和によるデジタルトランスフォーメーションによって、超スマート社会の実現に貢献したい」(全日本空輸の平子裕志社長)

攻めのIT投資実践企業を選定

 東京証券取引所および経済産業省は、「攻めのIT経営銘柄2019」を発表した。

 攻めのIT経営銘柄は東証一部および二部、マザーズ、JASDAQといった東京証券取引所の上場企業約3600社のなかから、優れた「攻めのIT経営」を実践している企業を攻めのIT経営銘柄に選定。2015年の開始以来、これまでに延べ107社が選ばれている。今年は29社が選ばれた。

 「攻めのIT」とは、従来の社内業務効率化や利便性の向上を目的とした「守り」のIT投資に留まることなく、企業価値向上や競争力強化に結びつく戦略的な「攻め」のIT投資を実践していることを指す。

 経済産業省は2018年9月に「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」を取りまとめ、2019年12月には、DXの障壁となるレガシーシステムの問題を解決するために、DX推進ガイドラインを策定した。

 ここでは、IT関連費用の80%は現行システムの維持管理に使われており、それがDXを進める上で課題となっていること、長期的に保守、運用費が高騰する「技術的負債」が生まれていることを指摘。戦略的なIT投資に資金、人材を振り向けられていないという実態が浮き彫りになっている。

 「レガシーシステムの刷新をやらないと、攻めにいけないというのが実態であり、なにかやろうとしても、足がもつれることになる」と、経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課長の中野剛志氏は指摘する。

 さらに、DXレポートでは、「2025年の壁」という言葉で、レガシーシステムの刷新が遅れている企業に警笛を鳴らしている。

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