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ほかにもバックアップ新製品「PowerProtect」、ミッドレンジ「Unity XT」など多数、DTW 2019レポート

AI/DL特化のGPU/IPUサーバーなど、Dell EMC製品の新発表まとめ

2019年05月07日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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次世代ミッドレンジストレージ「Unity XT」と「Isilon OneFS」新版

 ストレージ分野ではまず、ミッドレンジ向けユニファイドストレージの新製品「Dell EMC Unity XT」が発表された。オールフラッシュ構成(380F/480F/680F/880F)またはハイブリッド構成(380/480/680/880)で提供され、各モデルの最大物理容量は4~16PB。一般提供開始は今年7月からの予定。

 オールフラッシュ構成のUnity XTの場合は、従来のUnity比で最大2倍のパフォーマンス(IOPS)とレスポンスタイムの75%削減を実現。さらに“NVMe Ready”の新設計により、将来的にNVMeドライブを搭載することでパフォーマンスをさらに改善できるようになっている。

 またインラインのデータ削減率も最大5:1とさらに効率化されており、ブログ発表によると、投資保護プログラム(Future-Proof Loyalty Program)を通じてあらゆるワークロードで最低でも3:1の削減率が保証される。なおUnity XTは「Dell EMC Cloud Storage Services」(後述)にも対応している。

ミッドレンジストレージ「Unity XT」。パフォーマンス、効率性、マルチクラウド対応がキーワード

 非構造化データ(ファイル/オブジェクト)向けスケールアウトNASのIsilonでは、最新OSとなる「Isilon OneFS 8.2」が発表、提供開始された。スケールアウト性能がさらに強化されており、1クラスタあたりの最大構成は252ノード(63シャーシ)、最大物理容量は58PBとそれぞれ75%拡張された。これによりクラスタ総体でのパフォーマンスも大幅に向上しており、オールフラッシュ構成のIsilon F800の場合、1クラスタあたりのIOPSが最大1580万、スループットは最大945GB/秒となっている。

 なお、ハードウェアの新モデルとして「Isilon H5600」のラインアップ追加が発表されている。H5600は、新たに10TB HDDを採用することで1シャーシあたりの物理容量が800TBと大容量化。同時に8GB/秒のスループットも実現しており、キャパシティとパフォーマンスのバランスを取ったモデルとなっている。一般提供開始は今年7月からの予定。

Isilonでは今回、キャパシティ/パフォーマンスのバランスモデル「Isilon H5600」を追加

クラウドDRやデータ活用を促す新サービス「Dell EMC Cloud Storage Services」

 Unity XTの項で触れたDell EMC Cloud Storage Servicesは、オンプレミスデータセンターに配置されたDell EMCストレージ製品群(Unity XT、PowerMax、Isilon)のデータをパブリッククラウド上で活用可能にするサービスだ。現在は米国および英国で提供されており、VMware on AWS、Amazon Web Services、Google Cloud Platform、Microsoft Azureの各パブリッククラウドに対応している。

 具体的には、各種パブリッククラウド環境と低レイテンシでダイレクト接続できるデータセンターに配置されたストレージをマネージドサービスとして提供する。このストレージをレプリケーション先とすることで、オンプレミスのデータをパブリッククラウドに“開放”する。パブリッククラウドのリソースを使ったアナリティクス、アプリケーションの開発/テスト、またクラウドDRでの活用といったユースケースが考えられる。

「Dell EMC Cloud Storage Services」の概要(画像は公式ブログより)。マルチクラウドとダイレクト接続できるデータセンターに配置されたストレージ(レプリケーション先)をマネージドサービスとして提供

 Cloud Storage Servicesではさらに、ヴイエムウェアのDRソフトウェア「VMware Site Recovery Manager(VMware SRM)」と「VMware Cloud on AWS(VMC on AWS)」を組み合わせて利用する、自動化されたDRaaS(DR-as-a-Service)も提案している。オンプレミスで運用しているVMを常時レプリケーションしておき、障害発生時にはそのワークロードをVMC on AWSにフェイルオーバーするというものだ。AWSクラウドのコストがかかるのはDRサイト運用時のみとなるため、コストを圧縮できるメリットもある。

Cloud Storage Services+VMware SRM+VMC on AWSの組み合わせで、自動フェイルオーバーの可能なクラウドDR環境を構築できる(画像は公式ブログより)

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