周波数発振器を製造販売
これにウォルトディズニーが目をつける
その再会した2人は副業を始めることにした。場所はPackard氏の両親が借りていた、パロアルトのアパートのガレージである。
この場所は、現在ではNational Register of Historic Places(合衆国国家歴史登録財)に登録されており、Googleでは“Hewlett Packard Garage”と検索するだけで見られる。説明ではこの場所は“BIRTHPLACE OF SILICON VALLEY”(シリコンバレー誕生の地)となっている。
さて2人は副業をきちんとしたビジネスにすることを決め、会社を立ち上げる。この社名がHPなわけだが、実はこれもコイントスで「どちらの名前を先にするか」を決めたそうだ。つまりPackard氏が勝ってれば“Packard-Hewlett”という社名だった可能性もある。
当初の資金は538ドル(と古いプレス機械1台)のみだったが、幸いにいくつかの商品のアイディアもあった。また会社を始める前の、副業の段階で開発していたModel 200Aという製品がすぐさま出荷されることになった。
画像の出典は、HPのVirtual museum
しかもウォルトディズニーが、このModel 200Aをベースに独自のカスタマイズを施したModel 200Bを8台要求。これは1台あたり71.50ドルで同年中に納入された。ウォルトディズニーはこれをFantasiaの上映を行なった12の映画館に設置された、特殊な音響システムのテストや調整に利用したそうだ。さらにその後、NRL(United States Naval Research Laboratories:米海軍研究所)でもこのModel 200Bを採用したらしい。
こうした売上は当時のHPにとっては当然ながら非常に大きなものであり、資金的なゆとりができたことでさらに社員を雇うゆとりも生まれた。

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ











