さらにアバターを使うことで運動能力も変わるそうだ。たとえば、VRHMDを被り楽器を演奏する際、自分の見た目がサラリーマンのようなアバターだと上手くいかないが、ノリの良い人物のアバターになると、手の動きが大きくなり、動作が変わったという。
また、VRを活用すればトレーニングもできるとのこと。ボールをある場所に投げるという動作をした際、実際には目標地点から外れているのに、VR上で本当に入っているように見せる。すると、今日は調子が良いのでは、と人は勘違いする。その後、実際に現実で試してみると良い結果が得られるという。
バーチャルリアリティーの活用として、「分身」の効能についても言及。たとえば、話し合いの場において、少数の意見よりも多数の意見に強引に合わせられる「同調圧力」が、分身の力で低減できないかという実験。
実際は1人がしゃべっているのに、VR上ではその会話の切れ目に応じてAIが2人のアバターが話しているように言葉を振り分ける。そうした技術を使い、2対1の状態で、1人がアバターを使ってバーチャル上で2人として振舞い、仮想的に2対2での対話を成立させると結果が変わるとのこと。
そのため、鳴海氏はTPOに合わせてアバターを使う時代が来るかもしれないという。それにより、こんなアバターを作って欲しいという要望が増え、販売、流通を行なうことが、バーチャルマーケットでも実施されるようになるのではと語った。