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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第506回

Ice LakeではIPCを改善 インテル CPUロードマップ

2019年04月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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もう1つの追加モデルはOEM向けの
「Pentium Gold 5405U」

 ところでCESでは6製品発表されたが、ここで説明したのは5製品でしかない。あと1つはPentium Goldに新しく「5405U」が追加されている。

 Uという型番からわかる通りモバイル向けの、それも省電力モデル(TDPは12.5W)で、パッケージも1528ballのFCBGAなので、これはモバイル製品を製造するOEM向けでリテールにはまず流通しない(どこかのマザーボードメーカーがこれを搭載したMini-ITXボードを出さないとは断言できないが)と思われるため、ロードマップからは割愛した。

 以上のことからデスクトップ向けは、この5製品のみが唯一の追加であり、おそらくは9月ないし10月あたりに登場するであろうIce Lakeまでしばく我慢が続くことになる。

 そのIce Lakeがどんな構成になるのかは今のところ情報が一切ない。もっとも前回書いた通り、DDR4は最大3733MHzをサポートという話なので、GPUを使わないようなケースではこれが当然CPU性能の改善につながるだろう。

Ice Lakeのアーキテクチャー
Sunny CoveではIPCを改善

 ところでIce Lakeそのものはまだ詳細が未発表だが、そのIce LakeのアーキテクチャーであるSunny Coveに関しては昨年12月にArchitecture Dayが開催されて、ここで説明されている。この内容を少し紹介したい。

 まず全体のロードマップだが、Core系列ではSunny Coveとそのフォローアップの Willow Cove、そしてGolden Coveが用意され、Atom系列では現時点ではTremontだが、2021年にGracemontが予定されている。

Willow Coveはキャッシュの最適化以外は基本的にSunny Coveの延長にあるものと思われる

 そのSunny Coveのアーキテクチャー概要が下の画像だ。Skylakeから大幅に強化され、ついに同時10命令発行に進化した。ただこの構成そのものは、Xeon向けのSkylake-SPの延長である。

Sunny Coveのアーキテクチャー概要。命令を発行するIssue Portが10個に。またそのIssue Portに命令を割り当てるRS(Reservation Station)も4つに増量された。Store Dataが別のRSになったのは大きい

 Skylake-SPの場合、AVX512命令を同時に2つ発行できるようにするため、SkylakeコアにAVXユニットを追加し、かつLoad Storeユニットの帯域を倍にするという、わりと無理やりな実装だったのを綺麗に整理し直した形だ。

Skylake-SPの構成。Issue Portを変更せずにユニットだけを強化したので、いろいろ無理があった

 また、実行ユニットの強化に併せて、1次データキャッシュや2次キャッシュの大容量化、μOpキャッシュの増量などが図られている。

L2 TLBも併せて強化されているのは、Xeon向けでOptane Persistent Memoryを利用するとメモリー空間が大幅に増えることへの対応だろう

 フロントエンド側は図こそないが、下の画像にあるようについに命令デコードが5命令/サイクルに強化されているほか、分岐予測も「accuracy improvements」とあるので、おそらく既存のものに加えて他のものも搭載されたようだ。

実のところSkylake世代で5命令/サイクルのデコードになるかと思ったが、意外に4命令のままで推移したので、そろそろ頃合いではあるはずだ
POWERやRyzenのようにパーセプトロンベースの分岐予測ということも考えられる

 IPCの改善がSunny Cove(を搭載したIce Lake)では実現されているようで、あとは動作周波数や消費電力がどのあたりに落ち着いてくれるのか次第、というあたりである。

 おそらくCOMPUTEXのタイミングでいろいろ発表があると思うので、これをまってロードマップのアップデートをまた行ないたい。

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