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医療機器、設備機器、給食、機器開発テクノロジーの展覧会「HOSPEX Japan 2018」レポートその2

AI問診から入院時の退屈解消まで 病院・福祉で使える最新技術

2019年04月18日 07時00分更新

文● 戸津弘貴 編集●北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影●高橋智

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 HOSPEX Japan 2018は、病院・福祉に関する医療機器、設備機器、給食、機器開発テクノロジーが一堂に集う専門展示会。スタートアップコーナーでは、テクノロジーやガジェットを使ったユニークな提案が来場者の関心を集めていた。

その日の体調に合わせたサプリメントを調合するサーバー

 ドリコスが展示するサプリメントサーバー「healthServer」は、生体センサーまたは、アプリで分析した結果をもとに、必要な栄養素を算出。その場でミックスして抽出されるというもの。プリンターのインクカードリッジのように、栄養素ごとにカードリッジが用意され、本体にセットするだけでOK。粉末なので水で溶いて飲んだり、料理に混ぜ込むなど摂取方法は自由に行えるとしている。

 自宅で導入して毎日の食事の補助とするほか、企業などに導入し、社員が休憩やランチなどの際に、気軽に摂取する福利厚生としてのニーズも期待しているという。ニーズに応じて、サーバーを無料で設置し、定額でカートリッジを配送する方式と、本体、カートリッジをそれぞれ購入する方式の2種類を選ぶことが可能。

AIによって診療時間を効率化

 Ubieが展示していたAI問診アプリは、3分間の問診で診療情報を得られる問診サポートサービス。来院者が症状や問診への回答を入力すると、ドクターの画面では医師の判断に必要な文言に置き換えられて表示される。そのまま電子カルテに記載できるレベルの精度だという。手書きの問診票ベースで医師が患者と会話する場合に比べて診察時間の短縮が期待できるため、待ち時間の短縮、残業の削減など患者、医師双方にメリットがあるのが特徴。

 同じアルゴリズムを使用したAndroidアプリ「Dr.Ubie」は、人工知能相手に会話する方式で、症状から疑われる病気を予測。場合により診察を促すなど体調の悩みに応えるもので、すでに3万ダウンロードを達成している。

ビジネス向けソリューションを、健康管理に応用

 Be&Doは、自社の目標管理ソリューション「Habi*do」を健康管理、体調管理に応用。食事や運動などの生活習慣改善支援アプリとして提案していた。不健康だった長年の習慣を、行動変容法によって改善してゆくもので、企業などに導入するBtoBサービスとして提供していくという。

ニーズに合わせて開発できる英語学習ロボット

 ロボ・スタディでは、同社が開発する英語学習ロボット「Charpy」(チャーピー)の技術を応用したコミュニケーションロボットを展示していた。カスタム開発が可能ということで、受付応答や、入院時のコミュニケーションなど、ニーズに合わせて開発できる点を来場者にアピールしていた。

持て余す時間を有意義に過ごせる(?)ソリューション

 プログレステクノロジーズが展示する「全巻一冊」は、実際の書籍のような電子書籍デバイスに、長編コミックスのデータをカートリッジ方式で挿入。閲覧できるソリューション。愛蔵版サイズのボディに高解像度の電子ペーパーを採用し、紙の本に迫る読書感を提供する。

 たとえば、受付の待ち時間や、入院生活で持て余す時間において、長編コミックスを全巻揃えておくのは保管場所も含めて難しいが、電子書籍ならば1冊分のスペースで全巻分のデータが収納できる。バッテリーの持ちも良いので、タブレットデバイスと比べても充電を気にすることなく読み続けることができるのも利点だ。

スタートアップコーナー以外にも光るチャレンジングな製品たち

 HOSPEXの会場では、スタートアップコーナー以外にも、開発途上や開発されたばかりの製品、新しいアイディアで実現した製品などが紹介されていた。以下、ピックアップしてお届けする。

 富山県のブースでは、富山大学によるスマートおむつカバー「e-CODANE」が展示されていた。

 水分量の変化で電気の流れやすさが変わることを利用し、おむつの替え時を知らせるというもの。センサーを内蔵したカバーでおむつの水分量を計測、無線でパソコンやスマートホン、タブレットに送る仕組み。最初の段階として高齢犬の介護用を開発。将来的には要介護者向けの展開も視野に入れたいとしている。

 ティ・アール・エイブースでは、睡眠をサポートするガジェット「Sleepion」(スリーピオン)シリーズを展示。音・光・香で快眠を誘うコンセプトの元、用途や目的に応じて3ラインアップが用意されている。

 最新型の「Sleepion3」は、タイムドメインラボ監修のスピーカーを搭載し、設置場所にかかわらず、部屋全体に環境音がゆきわたる設計。アロマリングを交換することで、睡眠をサポートするリラックス効果だけでなく、勉強や仕事に集中できるリフレッシュ効果なども得られる。ACアダプターのほか、専用のモバイルバッテリーでも45時間の稼働が可能。

 毎日使うことで、睡眠の習慣をつけることができるほか、眠れない時にピンポイントで使う目的でも効果はあるという。アメリカなどでは騒音などで睡眠が妨げられる際に、環境音などマスキングする音声を再生することで解決出来る事例もあり、睡眠に適した楽曲や環境音を15種類内蔵。

 従来製品より価格を下げることによって、多くの方に試してもらいたい、としている。

 土佐電子工業では、効率的なリハビリテーションのためのPWBシューズを展示。骨折時などのリバビリ時に、適切な荷重をフィードバックするもの。音声によって過剰な荷重がかかることを防ぎ、安全に積極的なリハビリを促進する。

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