キーホルダーなどにも付けられるUSBデバイス
前述したように多くのFIDO2セキュリティキーは、カギみたいな形で、キーホルダーにそのまま付けられる。イメージ的には、玄関の鍵と同じである。鍵を持っていれば玄関を開けることができるが、鍵がなければ入ることはできない。鍵を持っているということがログインできる「資格」なのである。
誰かに盗られたら危ないのではないか? と思われるが、これは現実の鍵と同じ。通常、自宅の鍵は大事に持ち歩き、ほとんどの人は鍵を盗まれることはない。インターネットでは、フィッシングやハッキングなど、ネットワークを介した不正アクセスが中心であり、こうした物理的なデバイスをログインに使うことで、ネットワーク越しにアカウントに不正アクセスできなくなる。
もちろん狙われたら危ないことには変わらないのだが、スパイや超金持ちでもない限り、誰かが1人のアカウントを特定して狙うようなケースは少ない。インターネットの不正アクセスは不特定多数のアカウントを狙うケースが多い。1つ1つのアカウントに時間をかけずにとにかく多数のユーザーアカウントを攻撃して、弱いパスワードを使っているアカウントを見つけるのがよくある手法である。そういうわけで、物理的なセキュリティキーを使う方式は、インターネットでは比較的「安全」と言える。
FIDO2は基本仕様はすでに2015年に完成しており、W3Cに寄贈された。しかし、セキュリティキーとの間のAPIとなる「CTPA2」(Client to Authenticator Protocol Ver.2.0)は、昨年の完成である。このため、Windows 10はVer.1809(RS5)からEdgeがFIDO2に対応した。
一方でGoogleなどは、2014年にすでに2要素認証でU2Fセキュリティキーを利用することが可能にしていた。このときChromeもU2F対応となった。こうしたパスワードなしのログイン技術が登場した背景には、インターネットが普及し、クラウドが一般的になるに従い、ユーザーが管理すべきパスワードの数は増えていったことが挙げられる。
その結果、異なるサービス間でのパスワードの使い回しが増え、かえって危険な状態となった。使い回しをすると、どこかで流出などが起きると、同じユーザーID(メールアドレスが多い)、パスワードを使うサービスがすべて破られてしまう。こうした問題の解決方法の1つがパスワードを使わないログイン方法なのだ。
また、セキュリティキーのメリットには、PC側に情報を残さない点もある。このため、不特定多数が共有するようなマシンでも安全なログインができる(もちろんUSBポートに刺したまま忘れてしまったらダメだが)。FIDO2やU2Fのセキュリティキーは、USBのキーボードデバイスとして動作する。このため、Windowsなら標準のドライバーで対応できるため、デバイスドライバーのインストールも不要だ。
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