日曜プログラマーのための「Clovaスキルつくり隊!」 第1回
十二支の時刻を教えてくれる「古時刻~今なんどきだい?~」
むかしの時刻を返す、スマートスピーカー用スキルをつくってみよう
2019年04月03日 15時00分更新
スキルづくりのワンポイントテク
音声認識には揺らぎが発生、誤認しやすいワードの登録が必要
さて、実際に作ってみて気付いたのは、スキルの起動時や起動後に対話していく際に必要な「音声認識ワード」の登録についてです。注意しないといけないのは、音声認識の結果は揺らぐため、「認識されやすい文言」をあらかじめ複数登録しておく必要があるという点です。
揺らぎというのは、「話しかけたワードをClovaが何と聞き取っているか」です。これは「発話履歴」から確認ができます。何度か同じワードを話しかけて、多く見られる揺らぎワードを登録しておくのがオススメです!
実はスキル「古時刻~今なんどき?~」を作っている際にも、ちょっとしたトラブルがありました。
元々はこのスキル、名前を「今なんどき?」にしようと考えていました。しかし、スキルを起動する際に「ねぇ、クローバ、今なんどき?を起動して」と話しかけると、「今何度……」と聞き取ってしまい、Clovaが「現在の温度」を返してくる、という結果になってしまったのですね。
これを回避するため、スキル名を「古時刻」と改名しました。Clovaが聞き間違えをしないための調整です。ちなみに、いったんスキルが起動してしまえば、スキル内で指定したワードが優先されるので、問いかけは「今なんどき?」のままで問題ありません。
音声認識をするスマートスピーカー用のスキルでは、揺らぎの設定も大事ですが、肝心の起動ワードの選択ももうひとつのポイントと言えますね!
はじめにこれだけは必要!
本文内では、シンプルに内容を伝えるため、コードを中心に紹介しましたが、Clovaのスキルを自分でつくって利用するには、いくつかの手順が必要になります。開発者登録やサーバーの設定などを事前に済ませておきましょう。
Clovaスキルストアにスキルを登録する際、事前にやっておくべき作業手順は以下の通りです。
1.Clovaスキル・ディベロッパー登録
2.スキル基本情報設定
(呼び出し名などを設定)
3.対話モデル設定
(スロットタイプの追加、発話内容を登録)
4.サーバー設定
(Extensionサーバ「音声を受け取って結果を返すサーバ」のURLを登録)
5.ユーザー設定
(スキルストアに表示される設定)
6.サーバー側Extention開発
(サーバの設定、Clova公式SDKインストール、
Extensionプログラミング、ClovaDeveloperCenterでテスト)
7.Clovaセットアップ/実機テスト
8.LINE審査申請
このサイトでは、後日、これらの作業の方法についても紹介していく予定。詳しい登録方法などが知りたい場合は、「Clova Developer Centerβ」サイトにドキュメントがあるので、こちらを参照してくださいい。
みんなも面白いスキルをつくっていこう!
スキルをきっかけに、子供たちが十二支に興味をもってくれてもいいし、「時間」そのものに興味を持ってくれるのもいいんじゃないか、と思います。
プログラミングに興味がある方なら、ソースコードの「ね」、「うし」という時刻の箇所を、「ひとつばし」、「にかいどう」、「みつい」なんて人の苗字に変えて、人名時計なんてつくってみるのも面白いかも。
この連載では、これからも面白いスキルをジャンジャンつくっていくので、みんなもぜひ挑戦してみてくださいね!
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