第2世代のRyzenプロセッサーを搭載
「HP ENVY 15 x360(AMD)」のプロセッサーやメモリー、グラフィックス、ストレージの構成は次の通りになっている。
「HP ENVY 15 x360(AMD)」スタンダードモデル | |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 2500U(2.0GHz/最大3.60GHz) |
メモリー | 8/16GB |
グラフィックス | Radeon Vega 8 Graphics |
ストレージ | 256GB SSD(PCIe NVMe M.2)+1TB HDD(SATA、7200回転) |
バッテリー駆動時間 | 約10時間 |
価格 | 8万4800円~(税抜、本稿執筆時) |
ちなみに第8世代インテルCoreプロセッサーを採用したHP ENVY 15 x360(インテル)は価格が9万3800円~(税抜)となっており、本機はそれより1万円近く安い。AMD Ryzenの採用によってかなりリーズナブルになっているが、パフォーマンスは十分なのだろうか?
そこで、いくつかのベンチマークを実行して性能を測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツールを実行したところ、プロセッサが9.1、プライマリハードディスク(PCIe NVMe M.2対応SSD)が9という非常に高い結果になった。グラフィックスも8をマークしており、基本性能がかなり高いことがわかる。これを見る限り、第8世代インテルCore i5/i7とも十分渡り合えそうだ。
CINEBENCH R15では、CPUのマルチコアが616cb、シングルコアが139cbという結果。シングルコアはインテルのCoreプロセッサーに比べると少し低めだが、マルチコアはCore i7-8650Uあたりと比べても遜色ない。
続いてCrystalDiskMarkでストレージの性能をチェックしてみたところ、SSDはシーケンシャルリードが3265MB/秒前後になった。NVMe SSDだけあって非常に高速。また、セカンドストレージのHDDも同様にチェックしてみたところ、180MB/s前後となった。7200回転のHDDを搭載しているだけあって、ノートの内蔵HDDとしてはかなり高速な方だ。
次に、PCの総合的な性能をチェックするためPCMARK 10を実行してみたところ、総合スコアが3596になった。スコアの詳細をみると、基本性能を示すEssentialsが7386、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが5230と高い数値になっており、Web閲覧やOffice文書の作成などには十分すぎる性能を持っていることがわかる。クリエイティブワークの性能を示すDigital Content Creationも3000を超えているので、ある程度負荷の高い作業も快適に行えるはず。
グラフィックスは統合型ではあるものの、パフォーマンスに優れたVegaアーキテクチャーのGPUを搭載している。そのため、ライバルの第8世代Coreプロセッサーが搭載するインテル UHD グラフィックス 620よりも高めのスコアが期待できそうだ。
そこで、まず3DMARKでチェックしてみたところ、ゲーミングノート向けのテスト「Sky Diver」で7673、ミドルレンジパソコン向けの「Cloud Gate」で11469と、インテル UHD グラフィックス 620よりもかなり高い結果になった。とくに「Sky Driver」は8割近く高いスコア、ゲーミングPC向けの「Fire Strike」では倍近いスコアになっており、負荷の高いテストほど差がついている。
3DMarkスコア | |
---|---|
Fire Strike | 2139 |
Sky Diver | 7673 |
Cloud Gate | 11469 |
3DMarkの結果を見ると、ある程度グラフィックスに負荷のかかるゲームでもそれなりに快適にプレイできそうな印象。そこでドラゴンクエストX ベンチマークソフトも試してみた。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト | |||
---|---|---|---|
グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1920×1080 | 8580 | とても快適 |
標準品質 | 1920×1080 | 7626 | とても快適 |
最高品質 | 1920×1080 | 6344 | 快適 |
結果を見てわかるように、ドラゴンクエストXくらいならフルHDの最高品質でも快適にプレイすることが可能だ。
同様に「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター) ベンチマーク」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター) ベンチマーク | |||
---|---|---|---|
グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
標準品質 | 1920×1080 | 3649 | 快適 |
高品質 | 1920×1080 | 2604 | やや快適 |
最高品質 | 1920×1080 | 1847 | 設定変更を推奨 |
比較的負荷の高いFINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター)でも、標準品質なら快適に楽しめることがわかった。エントリー向けのゲーミングノートPCに搭載されるようなディスクリートグラフィックスに負けない性能は持っていると言えそうだ。
バッテリー駆動時間も十分
本製品のバッテリー駆動時間は、カタログ値で最大約10時間となっている。そこでバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみた。なお、電源プランは推奨設定、電源モードは「より良いバッテリー」、画面の明るさは「40%」にし、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態からバッテリー残量7%で電源が落ちるまでの時間を計っている。
その結果、6時間31分の駆動が可能だった。ちなみに、Core i7-8550Uを搭載するHP ENVY 15 x360(インテル)の場合、カタログ値が約11時間、BBenchでの計測結果が9時間27分だったので、バッテリーの持ちに関していえばインテルモデルの方が有利だ。ただ、本機の場合も6時間以上持つので、会議や打ち合わせくらいなら残量を気にせず使用できるはず。普段使いには十分な駆動時間と言えるだろう。
コストパフォーマンスのよさが魅力的
AMD Ryzenプロセッサーを搭載することで高性能と高コストパフォーマンスを両立した「HP ENVY 15 x360(AMD)」。
日本HPの直販サイトでは、本稿執筆時点でお買い得キャンペーンが実施されており、メモリー8GBの場合、通常より2万円お得な8万4800円(税抜)で購入することができる。また、キャンペーン特典としてプラス5000円で16GBメモリーにアップグレードすることが可能。その場合でも税抜き価格が8万9800円と9万円を切り、性能や上質なデザインを考えると非常にリーズナブルだ。洗練されたデザインのノートを探している人は、この機会に購入を検討してみてはいかがだろうか。