キャッシュエリア内のリード性能は大幅アップ
さて、ここからはベンチマーク結果からHMBの効能について見ていく。今回の検証では、HMBオンでデフォルトの容量(BG4では61MB)の場合、HMBオンで確保可能な最大容量(BG4では64MB)を設定した場合、HMBオフの場合の3パターンで検証を行なっている。
まずは検証は定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で最大速度の確認を行なった。比較用として前世代の「BG3」とDRAMを搭載するSAMSUNG製SSD「970 EVO Plus」(500GB、M.2 NVMe)の速度も計測している。
HMBオンのデフォルト容量設定(確保メモリー容量61MB)
HMBオンの最大容量設定(確保メモリー容量64MB)
HMBオフ設定
HMBオンの速度はHMBオフの場合と比べてやはり高速だ。特にリード性能の向上が大きい。さすがに最新NVMe SSDである970 EVO Plusには叶わないが、BG4は初期に登場したNVMe SSDと同等程度と言っていいレベルだ。
また、BG3と比較した場合もリード性能が向上している点が目立つ。これは、主にBG4のインターフェースがBG3のPCI Express 3.0×2からPCI Express 3.0×4に高速化されていることの恩恵だろう。シーケンシャルライトについてもBG4はBG3から高速化されており、HMBオフの状態で比べても約161MB/sも速い。
なお、HMBがオンの状態はシーケンシャルリードもHMBオフの状態と比べて高速化している点も興味深い。後述するTxBENCHのランダムライトでも2GBのエリアまでは速いことを考えると、HMBで確保したメモリーにアドレス変換テーブルの一部がキャッシュされることで、コントローラー内部のSRAMの使い方がHMBオフの状態とは異なるのかもしれない。

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