iOSとAndroidで同じARコンテンツが見られるように
マイクロソフトのMRへの取り組みはハードウェアだけでなく、ソフトウェアやサービスにもおよぶ。1月に発表された「Dynamics 365 Guides」は、HoloLensを使った学習システムの開発環境。たとえば工場の作業などで、製品の組み立て工程をARで表示し、それに合わせて作業をすれば工程を学べるといった具合だ。
これに加えて今回のプレスカンファレンスでは「Azure Spatial Anchors」「Azure Remote Rendering」の2サービスを発表。「Azure Spatial Anchors」はMixed Realityアプリケーションの開発環境だが、動作対象のデバイスはHoloLens 2だけでなく、iOS、Androidでも同じARコンテンツが見られるようになる。
実際にステージ上でHoloLens 2を装着しているユーザーと、iPadを持ったユーザーが同じARコンテンツを見ながら操作するデモも披露。
もう一方の「Azure Remote Rendering」は、クラウド上で3Dコンテンツのレンダリングを行ないストリーミングするサービス。これによりエッジ側の性能に依存せずに、高品質な3Dデータが表示できる。エッジ側の性能に依存しないので、こちらも対象デバイスにとらわれずにARコンテンツが提供できる。つまりマイクロソフトはMRを自社デバイスや自社サービスに限定せず、次世代の「空間コンピューティング」という市場を本気で広めようとしていると感じた。
残念ながらプレスカンファレンスでは実際の製品をテストするハンズオンコーナーは用意されていなかったため、デモで披露された性能や機能が実際に装着してどの程度再現されるのか確認はできていない。追って体験できる機会があることを期待したい。
HoloLens 2は年内に3500ドルで発売予定。すでに日本を含む9ヵ国でプレオーダーが始まっている。まだまだビジネス向けの開発キットという位置づけではあるが、次世代の「空間コンピューティング」が本格的にスタートする、そんな予感をさせる発表会だった。
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