■本来の意味の「ふるさと納税」に挑戦
コンピュータクラブハウスは、ふるさと納税を使った資金の寄付をしていることも目新しく、注目されている。
この方法については、「加賀市では、子どもに投資するためのふるさと納税という『志』の部分で行っています。本来、ふるさと納税というものは、その地方を応援するためのものであるということをわかっていただくためにも、ある意味挑戦的な試みでもある」(宮元市長)という。
高級肉や豪華な返礼品ばかりに目が行ってしまい、「どの地方を応援するか」ではなく「どの返礼品をもらうか」という本来の目的とは違う方向へいっているふるさと納税に対し、「自治体の政策に賛同して、納税する」という本来の主旨にかなった使い方といえるだろう。
また、利根川氏も「ICTや教育にお金を使おうと提言する人は多いですが、実際のアクションは少ないです。今回のような教育プロジェクトに対して、支援額が満額集まれば、『やっぱり、こういうことに税金を使おう』という、ある種の民意を示すことになると思います」と、その志を語っている。
実際、報道などを見た人々から賛同の声も大きく集まり、「うちの自治体でも開設してほしい」という声も多いという。加賀市のコンピュータクラブハウス開設に賛同しているメルカリ取締役社長兼COOの小泉文明氏は「自分の場合、中学校に自由に使えるパソコン室があり、その時の自分で作る体験がメルカリでの仕事に繋がっている」と、自身の体験をふまえた推薦コメントを寄せている。
加賀市のコンピュータクラブハウスを皮切りに、日本の各地にコンピュータクラブハウスが登場し、全国の子ども達がプログラミングやものづくりを通じて、新たな発明や発見を体験する日も近いかもしれない。