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ペヤング北海道ジンギスカン風は北海道で成功する可能性が低い

2019年02月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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過去における日清食品の敗退

 この粉末スープは、湯切りで捨てるお湯を注いで作る。揚げた麺をふやかした残り汁を飲むなんて嫌な感じだが、スープは確かに存在感がある。薄味の甘いソースと、スープの塩味の組み合わせが絶妙な上に、ラーメンのスープのように麺の嚥下を助けてくれもするのだ。

 そこで日清食品は、これがやき弁の強さと判断したのか、日清焼そばU.F.O.に中華スープを付けて売っていた時期があった。だが、シェア獲得につながらなかったのは、現状からわかるとおり。

 ならばやはり味だろうということで、やき弁の素性を調べ尽くし、道民の好みに寄せた「やきそばできました。」を北海道限定商品として今世紀初頭に発売。しかしリニューアルでスープが消え、かやくの具材も減り、低価格路線に転じて、最後にはフェードアウト。もはや万策尽き果てたという感じだ。

 現在は「北の焼きそば」が、北海道限定品の座を引き継いでいるが、地元野球チームとのコラボやご当地素材で存在感を示す程度に過ぎない。

ジンギスカン作戦は吉か凶か

 そして、この度のペヤングやきそば北海道ジンギスカン風である。特に北海道に向けた商品ではないのだろうが、道民の気を引くアイキャッチとしては十分。道内では無名と言っていいペヤングの知名度向上には役立つだろう。

 だが、道民に受け入れられるためには、北海道二大ソウルフード「ジンギスカン」「やき弁」の両方を越えなければならない。バクチだと思った理由はそこだ。ハードルが高すぎる。

 実はこの「ジンギスカン風」作戦、前出の「やきそばできました。」で日清食品も実行している。日清食品でもダメだったものをペヤングがモノにできるのか。食べてみなければわからない。

 すっかり前置きが長くなったが、次回はペヤングやきそば北海道ジンギスカン風にお湯を注いでみようと思う。できれば製品として成功してほしい。なぜなら、大学時代からつい一昨年まで東京で過ごしていた私にとって、ペヤングもまた青春のソウルフードなのだから。

四本 淑三(よつもと としみ)

北海道の建設会社で働く兼業テキストファイル製造業者。

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