ヘルスケア領域で50超の特許を取得 FiNCの知財戦略とは
「CEOが語る知財」:FiNC Technologies 代表取締役CEO溝口勇児氏インタビュー
知財は仲間集めの武器にもなる
「ベンチャー企業でいちばん大事なのは仲間集め」だと溝口氏。大きな目標を掲げれば掲げるほど、ひとりではそこにたどり着けない。
仲間を集めるためには、金銭だけではなく、自分の成長などを含めた報酬や共感できるビジョン、そして明確な役割や居場所を提供することが大切だ。ただし、大きなビジョンを掲げても、実現可能性がなければ仲間は集まらない。しかし創業当初は、お金も技術も商品もない。すべてがないタイミングから仲間を集めなくてはならない。その点で特許などの知財は、その実現可能性を裏付ける情報の1つになる。
事業の目的は、社会の課題を解決することであり、ほかの企業との競争に勝つことではない。同じ目標や夢をもっているのであれば、みんなで協力して束になったほうが、より早く目標にたどり着ける、という発想だ。
「おもしろい人と付き合うには、自分たちが面白くないといけない。素晴らしい方たちとパートナーシップを組むには、自分から差し出せるものも必要。その武器が、人であり、資金であり、プロダクトであり、特許などの知財であると思う」
もともと日本のヘルスケアは世界で最もブランド力がある。ヘルスケア領域で事業をしたいと考えている国内プレーヤーは多い。たとえばFiNCは、いくつかのハードウェアメーカーとのパートナーシップを組んでおり、こうしたハードから入力されるデータをもとに、特許技術であるbotやAIによるサポートと組み合わせて、海外展開を目指している。