髪のことを考えないで食べると、正体不明な「ヌルヌル塩味」
実食した感想だけれど、先述した通り、髪にどういう影響があるかは考えないことにした。食べてすぐに効果が出ることなど、ありえないだろうし……。
さっそく食べてみる。……うーん、なんだ、これは。
基本的には塩味のやきそばだけれど、わかめやひじきの味わいは独特。さらに、ヌルヌルした食感もある。ただ、それらが不可欠なものかといわれるとなんとも言いがたい。海藻の香り、ぬるっとした舌触りが、塩味のやきそばと噛み合っているかといわれると、判断に困るのだ。たしかに「ヌルヌル塩味」ではあるが、なんだか、つかみどころがない。
ただ、「いや、これはナシでしょ!」といえるほどミスマッチではない。そのあたりが評価をむずかしくさせる。しっくりこないのは、食べてみても、なにが「スカルプD」で、なにが「ペヤング」なのかわからないという、両方の要素が感じられない点にある。どこに立脚しているのか、見えてこない味だ。
今回はアスキーグルメのナベコさんにも試食してもらった。とくに髪のことを考えずに、カップやきそばとして評価したいとのこと。
「ヌルヌル焼きそば。海草塩やきそばとして、鎌倉名物とかであったらちょっと納得いくのかもとか思ったり。やはり、むずかしいと思うのは、塩だけだと焼きそばとして味の決め手が少なくて、わかめの風味が悪目立ちしてしまう。アジア風のやきそばのように、油っけがほしくなってしまいました」
髪に必要な栄養素が含まれていることを一切考えずに食べると、なんだか、よくわからないカップやきそばでは……という疑念は抜けない。髪のことを気にする人はこれを選ぶのだろうか。あまり深く考えず、一種のジョークグッズとして考えるべきかもしれない。
正体不明。そんな表現が似合う。どこまでスカルプDの要素があるのか、どこまでペヤングの要素があるのか、よくわからない。体によいのか悪いのかも、なんともいえない。なんだか文章のテンションが低い気もするけれど、なんだかこう、テンションをどう保っていいかよくわからない、正体不明なカップやきそばでした。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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