冬に新芽が芽吹くカリフォルニアの風景は
日本から来た人間には若干奇妙に感じる
11月から3月までの冬季に1年分の雨が降るパターンが、カリフォルニアの気候です。この雨の降り始めが遅れたことが、甚大な山火事の被害をもたらしています。単純な話で、雨の季節が後ろにズレるということは、最も乾燥している乾期の最後の期間が延びてしまうことを意味するからです。
しかし、雨が降り始めると、週に1日晴れたらラッキー。普段シトシト、時には土砂降りの雨に見舞われます。これによって、不思議なことも起こります。
カリフォルニアでは7月や8月になると、川沿いを除くほとんどの地域で水が枯渇し、草が枯れてしまいます。これに火がついて山火事になるわけですが。その枯れた草に11月に雨が降ると、寒くなっていくにもかかわらず、一斉に新芽が出て、青々とした風景が蘇るのです。
普通、日本で冬というと、寒くなって草木は葉を落とし、暖かい春になると再び緑が戻ってくるというイメージが強いかと思います。そのため、引っ越してきたばかりの時はなんとも奇妙な風景だと思ったわけです。
草木には寒いより暖かい方が良いというのもそうですが、日本は水が比較的年中豊富なだけで、肝心の水を得ないと草は伸びようとしないこともまた真理ということでしょう。
一方、今年は大規模な山火事の被害を免れたナパ・ソノマに足を伸ばしてみると、ブドウの木の葉が赤や黄色に色づき、日本の紅葉とはまた違った紅葉の風景が広がっていました。実は、晩秋が一番美しい風景が楽しめるのではないか、という気づきを今更ながらにした次第です。
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