逆光に強くEOS一眼を超える驚速AF
EOS Rのウリの一つ、0.05秒で合焦する驚速AFは圧倒的で、一眼EOSの比較になりません。AFポイントに被写体を入った瞬間、ガシガシ合います。また、一眼の場合ヘッドライトの光など逆光が入るとAFが迷う事があるのですが、EOS Rではそのような迷いはなく、逆光耐性は相当強いようです。AFの追従も悪くなく、独特のファインダーとシャッタータイミングに慣れれば、ラクに撮れる可能性を感じさせます。
D1グランプリ最終戦で撮影。ヘッドライトの強い光のため激しいフレアが出るような状況でもEOS Rは確実にクルマを捉えました。従来のEOSならAFが迷い、次のカットが撮れない状況です。なお、筆者はEF70-200mm F2.8L IS II USMで撮影していますが、最近発売されたEF70-200mm F2.8L IS III USMでは、このフレアはかなり軽減されるとのこと。
FIAインターコンチネンタルドリフティングカップにて撮影。SUPER FORMULAと異なり、ドリフト競技は一発勝負であり、またマシンの起動が読めないためフレームアウトする事が多く、撮影の難易度はかなり高いといえます。
のむけん選手の最後の花道もEOS Rで撮影
「白煙番長」「のむけん」の愛称で親しまれた人気者・野村 謙選手。その18年間に渡るD1グランプリのラストラン。黄色い小旗が降られるスタンドの前を白煙番長がタイヤスモークをあげながら走り去る「猿」をイメージし、測距点を最も右下に設定して撮影しました。
しかし、動態撮影時にテレコンを使うと、後ピンになったり、AFが合わないような事が多々ありました。テレコンを使うとAFスピードが低下することは知られていますが、合焦しないのは初めてのこと。これも最初、原因がわからず相当悩みました。
上の写真を見ていただくと、国本選手のヘルメットにピントが合っているように見えるが、実際はリアウイングに合焦。テレコンを使った場合、ピンボケ程度の差もかなりありますが、このような写真がかなり多かったのです。
AF感度の調整も可能なEOS R
そして、EOS Rでは動態撮影時のAF感度が設定できます。初期設定のままでは、連続撮影時のピントを追い続けるのが弱いように感じたので「被写体追従特性」を俊敏方向の+2に振りAFレスポンスをアップ。ピントが一時的に不安定になることを覚悟で「速度変化に対する追従性」も+2に設定。「測距点乗り移り特性」は0のままが良さそうです。これで食いつきはかなりよくなりました。