だんだん違和感は減ってきた?
iPad ProはMacやPCと同じポートを備え、MacよりもむしろWindowsではおなじみとなったタッチ操作やペンをサポートしています。
Macと比べるから違和感があるわけで、WindowsのポータブルPCと比べれば、確かにパソコン的な存在と言えなくもありません。もっとも、2010年のiPad登場で、PC市場がタブレットの要素を十分に取り込んだ結果と言えるかもしれませんが。
AppleはかたくなにMacのディスプレイをタッチ対応にしないという判断を維持してきましたが、それはiPadでPC市場を攻略する目を潰さないためだったと思うようになってきました。
MacとWindowsは競合するのが当たり前で、結果はWindowsの圧勝という形で見えています。つまりiPadでPC市場に切り込むには、それまでにない価値感で望まなければなりません。そのため、iPadをMacと同一視されないユニークさが必要だったのでしょう。
2019年に向けて、iPadにはAdobe Photoshopが提供されます。Adobeのクリエイティブアプリは、Microsoft Officeとともに、PC向けのソフトウェアとして非常に重要な「やること」を提供してくれます。これがiPadに入ってくることは、明らかにiPadの見方を変化させる充分な動機付けになり得るのです。
せっかく新製品が登場したばかりなのに、「真価は来年発揮される」なんていうエンディングは、なんとも歯切れが悪いですよね。
少なくとも今までiPad Proを使ってきた人は、コンピュータとも思わず、iPadでのモバイル作業を引き続き、より快適にこなせるようになった点は間違いありません。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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