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AIによる6つの知的能力とデジタルワークフォースを組み合わせ“真のAI”を実現していく

RPAから「インテリジェントエンタープライズ」へ向かう、Blue Prism CEO

2018年10月12日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 RPAソフトウェアの開発、販売を行う英Blue Prismは2018年10月11日、同社CEOであるアレスター・バスゲート氏の来日にあわせて、同社の事業戦略などについて説明した。

Blue Prism CEOのアレスター・バスゲート(Alastair Bathgate)氏

 2001年に英国で創業したBlue Prismは、世界で初めて「RPA(Robotic Process Automation)」という言葉を提唱するなど、エンタープライズRPAのパイオニアと位置づけられている。現在は52カ国、42業種の1000社以上が同社のRPAを活用。最新上期の業績は前年比140%増という高い成長を遂げている。ちなみに同社の社員数は420人で、毎年10%ずつ増員しているという。

訂正とお詫び:掲載当初、最新上期の業績を「前年比40%増」としていましたが、正しくは上記のとおり前年比140%増(2.4倍)でした。お詫びのうえ訂正いたします。(2018年10月12日)

 「『ビジネス主導型のRPA』を提供しているのがBlue Prismの特徴であり、エンタープライズでの活用に耐えうるRPAの実現に向け努力してきた。2008年から2012年までの4年間をかけて拡張性、耐久性、セキュリティ、コンプライアンスを強化し、RPAのベースを作り上げた。Blue PrismのRPAは生産性を意識して開発され、業務の内製化や業務の外部委託に続く新たな選択肢として『ソフトウェアによる業務の自動化』を提案した。これにより、コスト削減や業務の安全性などを実現できるようになった」(バスゲート氏)

 英国では生活協同組合銀行に最初に導入され、クレジットカードの紛失や盗難の対応業務に利用したことから始まっている。「クレジットカード紛失の場合、コールセンターで電話を受けてからカード特定までに5分かかり、さらに事務処理で25分かかっていた。こうしたプロセスを自動化するRPAの導入によって、オペレーターの生産性は6倍に高まった」(バスゲート氏)。

 日本市場では、2017年3月に日本法人を設立。日本マイクロソフト、富士通、アクセンチュア、アビームコンサルティング、SCSKなど、約30社のテクノロジーパートナーやリセラーを持つ。

 Blue Prism日本法人 社長のポール・ワッツ氏は、日本市場においてエンタープライズRPAによるインテリジェントな企業改革を支援すべく、RPA拡充の取り組みや、蓄積した知識、ノウハウの移転を進めると語った。

Blue Prism日本法人 社長のポール・ワッツ(Paul Watts)氏

 「日本では博報堂、第一生命、DeNA、住友商事などの企業がBlue Prismを導入しており、しかも、100(ライセンス)単位でRPAを導入しているケースが目立つ。日本では『働き方改革』とRPAの価値を結びつけて提案しているケースが多いが、現在は部門単位での動きが中心になっている傾向も強い。フォーカスの対象をシフトさせ、より広い範囲で成果を高めることを支援していきたい」(ワッツ氏)

「AIとの連携は不可避」マイクロソフトやグーグルと連携、進化へ

 バスゲートCEOは、「日本のユーザーにBlue Prismをより深く見てもらうことで、Blue Prismが持つ哲学の違いや、競合他社の製品のロボット機能とはまったく違うものであることを理解してもらえるだろう」と語る。

 Blue Prismのエコシステムにおける取り組みとして示したのが、マーケットプレイスの「Blue Prism Digital Exchange」である。ベストオブブリードで、APIやコネクタをダウンロードできる。

 「これは、われわれが作ったApp Storeのようなものだ。パートナーが提供するさまざまなAPIを、別のパートナーや企業の業務ユーザーが利用できる。これにより、Blue PrismのOS上にアプリケーションを構築してもらえる。また、テクノロジーアライアンスプログラムを通じて、さまざまなベンダーとつながることも可能だ」(バスゲート氏)

APIやコネクタをダウンロードできる「Blue Prism Digital Exchange」

 また、マイクロソフトやグーグルとの連携により、両社のAI技術をBlue Prismで活用できることにも触れた。

 「2018年11月以降に利用が可能になる最新バージョンのBlue Prism v6.4では、外部で開発されたAIをドラック&ドロップで容易に活用できるようになる。インリジェントオートメーションの実現に向けて、これまでBlue Prism上で開発されたオブジェクトと、最新のAI技術という、最善の組み合わせを提供できる環境を実現することになる」(バスゲート氏)

マイクロソフトやグーグルのAI技術との連携を発表。将来的にはドラッグ&ドロップでAIによる知的判断能力を組み込めるようになるという

 バスゲート氏は、今後はRPAが「インテリジェントオートメーション」に進化すると説明する。インテリジェントオートメーションでは、「知識と知見」「視覚認識」「学習」「プランニングと優先順位付け」「問題解決」「コラボレーション」という6つのAI能力をデジタルワークフォースと組み合わせることで「真のAI」を実現できるようになるという。

バスゲート氏は、RPAから「インテリジェントオートメーション」へと進化していくと説明した

 「複雑化するタスクを自動化するために、AIとの連携は不可避であり、インテリジェントな自動化スキルの採用による真のAIを実現することが大切である。RPAと、AIや機械学習の組み合わせによって、人の関与がなく、完全に自動化されたプロセスに移行できる。インリジェントを活用した自動化によるエコシステムも実現することができる」(バスゲート氏)

 日本法人のワッツ社長も、日本企業の生産性を高めるためには、新世代のインテリジェントオートメーションを活用することが大切だと語った。

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