バイドゥ(百度)の新しいテクノロジーは、雇用者が求めるスキルを持つ候補者を探し出す。
バイドゥの研究者は最近の論文で、求職者の履歴書から保有しているスキルを見つけ出し、求人票が求めるスキル要件を特定できるニューラル・ネットを開発したと発表した。このソフトウェアは、それぞれのスキルを抽出した後、もっともマッチしている求人と求職者の組み合わせを提示する。
「パーソン・ジョブ・フィット・ニューラル・ネットワーク (Person-Job Fit Neural Network)」と称するこのモデルは、求人情報内のどの単語や語句が、候補者が持っているスキルに一致するかを学習する。たとえば「product development procedure(製品開発手順)」や「documenting(文書化)」といった言葉は、多くの場合、プログラム・マネジメントの経験が必要なことを示す表現だ。バイドゥのアルゴリズムはデータベースを使い、ある人の職歴が職務で求められる経験と関連性を示しているかどうかを学習する。関連性がある候補者には、欠員の要件に合う可能性を持つ者としてフラグが立てられる。
システムの試験では、教育関連の仕事要件をマッチングするのに苦労したという。というのも、サンプルが圧倒的に「4年制大学卒業またはそれ以上」という同一の要件だらけだったからだ。データセットが多様性を欠く場合、アルゴリズムがそれぞれの勤め口に対し、どの候補者がよりふさわしい学歴を備えているかを特定するのが難しくなる。
バイドゥは世界で2番目に大規模な検索エンジンを保有している。このテクノロジーを活用して、求人広告をより効果的にターゲティングできそうだ。
ただし、この求人マッチングテクノロジーは慎重に使わなければならない。もし雇用者に偏見があれば、その偏見がシステムにひそかに取り込まれてしまい、特定のグループに他と同様の雇用機会が提示されず不利益が生じる可能性がある。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のサフィア・ウモジャ・ノーブル教授(コミュニケーション学)が語っているように、 検索エンジンが表示する結果にはすでに偏見が含まれており、状況は悪化していく一方なのだ。